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“リオ世代”に刺激受けるFWオナイウ阿道、初A代表のテーマは「どう理解してもらうか」

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A代表初招集のFWオナイウ阿道(大分)

 日本代表に初招集されたFWオナイウ阿道(大分)にとっては、バックアップメンバーとして挑んだリオ五輪以来の“日の丸”。当時、共に戦った世代ではMF南野拓実(ザルツブルク)が大ブレイクを果たしているが、自身もそれに続いていきたいところだ。

 キリンチャレンジ杯ベネズエラ戦(16日・パナスタ)に臨む日本代表メンバー23人のうち、最大勢力の15人を占めたのは1993〜96年生まれの『リオ世代』。「僕の年代より下の選手もいるし、自分に近い年代の選手もたくさんいるのでコミュニケーションも取りやすい」(オナイウ)。新顔4人が加わった森保ジャパンだが、よそよそしい空気感は見られない。

 そうした世代の中、最も先を走っているのが欧州CLでも活躍中の南野だろう。W杯予選と所属クラブでの活動に専念するため、14日のカタールW杯アジア2次予選キルギス戦を終えて代表チームを離脱。すでにメンバー入り争いからは一歩抜け出た存在となっており、今回の活動では招集回避の権利を得ている。

 オナイウにとって南野は、リオ五輪がかかる2016年のAFC U-23選手権を共に戦った仲間であり、前線のポジションを争っていたライバルだ。そうした一学年上の先輩の姿には普段から刺激を受けているという。

「チームで活躍して、それを代表に活かせすことができていると勝手に思っている。しっかり自分をコンディションを整えられているからこそ、常に試合で結果を残せている。そこは自分も盗んでいけるところ」。そう語ったオナイウは「今回はいないけど、他の選手からも盗んで、自分に吸収して反映していきたい」とこの経験を今後の糧にする構えだ。

 そんなオナイウ自身も、所属クラブでの活動が評価されて道を切り開いた。高卒後に加入した千葉では出場機会を得ながら得点は重ねられず、移籍先の浦和では出番が激減。そこから期限付き移籍の選択をし、昨季はJ2の山口で22得点、今季はJ1昇格組の大分で10得点を記録したことでA代表入りに至った。

 だからこそA代表でも意識するのは、所属クラブで見せているプレーだ。「ゴール前で得点に絡むプレーと攻撃の起点になるプレーをどんどん増やしていきたい。そういったところでアピールできればゴール前での信頼も得られると思うし、そこを起点に攻撃できるというチームのプラス材料になる。ミスを怖がらず積極的にプレーしたい」と意気込む。

 日本代表の活動はここまで2日間。非公開でゲーム形式のトレーニングを行った17日の練習後には「みんなのレベルをあらためて感じるし、外で見ているのと中で一緒にやるのは違う。基本的に止める蹴るの判断は良いし、そこから出てくるパスの質も違う」と日本のトップレベルの環境から感銘を受けていた。

 それでも「そこまで感覚的なもの(違い)は大きく感じていない」ときっぱり。「まずはチームの狙っていることの中で自分がどうやったら味方の選手に理解してもらえて、味方の選手からシュートチャンスをもらえるかを意識したい」。類稀なるフィジカルを武器とするFWだが、近年のブレイクは周囲との連係があってこそだ。まずは周囲とのコミュニケーションを図りつつ、2日後のA代表初出場を目指す。

(取材・文 竹内達也)
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