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アピールポイントは得点力。A代表初招集の札幌DF進藤「空気だけ吸って帰るつもりはない」

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日本代表DF進藤亮佑(札幌)

 初招集という立場も、遠慮するつもりはない。日本代表DF進藤亮佑(札幌)は17日の練習後、「なんとなく空気だけ吸って帰るつもりは全くない。しっかり戦力になるためにはコミュニケーションを取らないといけないし、自分は特にディフェンスラインなので引っ張っていく姿勢を見せないといけない」と力強く意気込んだ。

 CBを主戦場とする23歳のアピールポイントは、直近2年間でJ1通算10ゴールの得点力。「得点のチャンスを狙いたい」と闘志を燃やす異色のDFがA代表まで上り詰めた。点を取る秘訣を問われて「めちゃくちゃあるけど、真似されたくないので……」とかわしつつも、「良いFWと対戦できているので、盗みながらアイデアを出している」と明かす。

 合宿初日のストレッチでは最年長のレジェンドGK川島永嗣(ストラスブール)の隣を確保し、ハリルジャパン組の同世代MF井手口陽介(G大阪)とも「見た目は結構いかついけど、可愛らしい性格です」と紹介する関係性を築くなど、代表チームへのフィット感は上々。初招集ながらも積極的にコミュニケーションを取る姿が目を引く。

 報道陣に「遠慮せずにできている?」と問われて「さすがにやっぱり……」と苦笑いを見せたように、当初は緊張感があった様子だ。ただ、それでも食い込んで行けるのは一つの強み。「遠慮しないように自分に言い聞かせて、最初より最後のほうが今日も声を出せた。お客さんじゃなく、自分が試合に出るという気持ちでいる」ときっぱり語る。

 そうしたA代表への思いの裏には、五輪への心残りもあった。1996年生まれの進藤にとって、93〜96年生まれが対象のリオ五輪は「出るのが一番難しい世代」。リオ五輪からA代表へと次々に羽ばたく選手に対して「少しずつ追いつけてきていると思うけど、海外でやっている選手にはどんどん置いていかれている危機感もある」と複雑な思いを述べた。

 それでもここでスタートラインに立った。「23歳という歳は世界的に見たら全然若くないと個人的に思っているし、普段は堂安選手と久保選手がいるけど、今回は自分が最年少なので下からアグレッシブな姿勢を出して、危機感を植え付けられるくらいのプレーを今回の合宿でしていかないといけない」。まずは2日後のベネズエラ戦でピッチに立ち、代表定着の足がかりとするつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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