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[MOM3068]和歌山工FW武山遼太郎(3年)_原動力は起用に応えたい気持ち。“攻撃の要”が決勝点を呼び込む

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和歌山工の攻撃の核となるFW武山遼太郎

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.17 選手権予選決勝 和歌山南陵0-1和歌山工 紀三井寺]

 第98回全国高校サッカー選手権和歌山大会では、和歌山工高が30年ぶり4回目の優勝を果たした。決勝戦ではゴールこそなかったものの、FW武山遼太郎(3年)の放ったシュートが決勝点に結びついた。

 武山は準決勝で2ゴールを挙げ、決勝進出に大きく貢献。特に準決勝で先制点となった、ドリブルでペナルティエリア近くまで持ち込んでから放ったミドルシュートは、とても美しかった。

 大宅光監督が「攻撃の核になってくれる選手」と評価する武山は、和歌山工が中盤で数的優位を生み出すときにも、タイミングよく、何度もパスコースに顔を出すことができる運動量も備えている。

 武山は身長が171cm。目立って小柄なわけではないが、大きい方でもない。「1年生の頃から試合に出させてもらっていたのに、上級生に当たり負けすることが多かった」ことから、競り負けないような体をつくるために筋トレを始めた。それ以降、3年生になった今でも、サッカー部の練習後に筋トレをずっと続けている。

 去年の選手権予選では、準決勝で初芝橋本高に0-3で敗戦。「試合に出してもらっていたのに、何もできずに悔しい思いをした。その悔しい気持ちをこの1年間持ったまま、ずっと練習してきた」という。武山の努力のもとにあるのは「試合に出してもらっている」ことに応えたいという気持ち。「出してもらっている」のに期待に応えられなかった悔しさを糧に、努力を重ねてきた。

「これまでの3年間、大宅監督の指導のもとで、ただ蹴るだけじゃなく、繋ぐことを意識したサッカーをしてきた。全国大会でも、丁寧にサッカーがしたい」と語った武山。他の3年生と同じく、武山もすでに就職することが決まっている。武山のサッカー人生で最後の大舞台となる選手権で、これまで重ねてきた努力をしっかりと発揮したい。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校選手権2019

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