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「僕ですね、と…」“令和初”選手宣誓は日章学園DF阿部稜汰主将

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日章学園高(宮崎)DF阿部稜汰(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

 決まった瞬間、驚きしかなかったようだ。第98回高校サッカー選手権大会の選手宣誓を務めることになったのは、日章学園高(宮崎)DF阿部稜汰(3年)に決まった。

 今大会の応援マネジャーを務める森七菜さんが「選手宣誓決め」の抽選を実施。森さんの手が抽選箱の中に入ると、阿部は思った。「正直、当ててほしくない(笑)」と。しかし、森さんが抽選箱から引き上げたのは「47」の番号札、日章学園の番号だった。「僕ですね、と…。頭が真っ白になった」と選手宣誓を務めることが決定した。

 決まった瞬間は「驚きしかなかった」ものの、時間が経つにつれて新たな気持ちが生まれてきた。「令和初ということで、皆の注目も集まる。任せられたからには、立派な選手宣誓をしたい」と力強く語った。

 今月4日に行われた宮崎県予選決勝では、1-0とリードして迎えた前半30分に負傷交代。その後、チームメイトが2点を加点し、宮崎日大に得点を許さなかったことで3-0の完封勝利を収め、3年連続15度目の選手権へとたどり着いた。大一番でチームの力になれなかったことで「悔しい部分もあったし、期待してくれた親に申し訳ない気持ちがあった」と喜びとともに、悔しさも味わった。だからこそ、全国の舞台では「チームを引っ張って、勝利に一番貢献できるようにしたい」と意気込みを示す。

 初戦の相手は千葉県代表。予選が終了していないことで対戦相手は確定していないが、どこが相手でも自分たちがやることは変わらない。「勝てれば良い流れに乗れると思うので、初戦を全力で挑みたい」。

 キャプテンとしてチームをまとめるだけでなく、選手宣誓の大役も任される。選手権が開幕するまでの1か月半、これまで以上にタイトな日々が待っているかもしれないが、「選手権は夢の舞台。支えてくれた人たちに恩返しできるように、悔いのない大会にしたい」と最高の準備を進め、本番へと向かいたい。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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