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静岡決勝での6得点は“三羽烏”以来36年ぶり。静岡学園DF阿部主将「もっと成長できるように」

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静岡学園高CB阿部健人主将は全国制覇を目標に掲げた

 第98回全国高校選手権の出場校の中で屈指の攻撃力を持つのが、静岡学園高(静岡)だ。静岡県予選決勝では開始18秒で鹿島内定の高速FW松村優太(3年)が先制ゴール。テクニカルなドリブラーのFW小山尚紀(3年)が3得点を奪い、期待の2年生CF加納大も2得点を挙げて富士市立高に6-1で大勝した。

 激戦区・静岡県予選決勝での6得点は、FW長谷川健太(現FC東京監督)とMF大榎克己(現清水GM)、DF堀池巧(現順天堂大監督)の“三羽烏”や1年生FW武田修宏(現サッカー解説者)を擁した83年度の清水東高以来36年ぶりの快挙。守備の柱を担うCB阿部健人主将(3年)は「自分たちは決勝も圧倒して勝つという気持ちでやっていたので、ああいう結果で終わって良かった」と振り返る。

 静学が目指す「魅せて、勝つ」をやり遂げて勝ち取った5年ぶりの全国。阿部は「自分たちのスタイルは個人技を魅せること。ここから、個人技を磨くことはもちろん、チームとして融合できるように1か月間練習して、大会を通してもっと成長できるようにしたいと思います」と成長しながら全国でも「魅せて、勝つ」ことを誓った。

 抽選会でなかなか初戦の対戦相手が決まらず、阿部も緊張する時間が長かったようだが、前回大会全国16強の岡山学芸館高(岡山)に決定。岡山学芸館はエースFW岡田知也(3年)やMF山田龍之介(3年)ら力のある選手を擁する難敵だが、阿部は「自分たちは相手関係なく、初戦を全力で臨むだけなので、もっとレベルアップして良い準備をしていきたいかなと思います」と力を込めた。

 目標は日本一。近年、静岡県代表が低迷する中、注目エース松村を中心に攻撃力や守備意識も高い静岡学園の躍進が期待されている。だが、そのためにはゴール前の攻守などよりレベルアップすることが必要。その上で阿部は「プレッシャーはありますけれども自分たちが全力出せば良い結果がついてくると思うので、まずはプレッシャーをそんなに感じずに自分たちらしいサッカーをして、全国の舞台で一つひとつ勝っていって、決勝の舞台に立って優勝できたら良いと思います」。混戦必至のトーナメント戦で持ち前のテクニックとインテリジェンス、そして戦う姿勢を発揮して頂点まで勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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