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横浜FM、首位奪取も重圧なし? 指揮官が明かした“要因”にMF喜田「本当にその通り」

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首位に立った横浜F・マリノス

[11.23 J1第32節 松本0-1横浜FM サンアル]

 直近9試合で8勝1分という驚異的な成績を残している横浜F・マリノスが今節、ついにJ1リーグの単独首位に立った。シーズン終盤戦でも選手たちの身体が硬くなる様子は見られず、15年ぶりの優勝がかかっている重圧とは無縁。アンジェ・ポステコグルー監督はその要因を「自分たちのサッカーをしていること」と指摘する。

「勝利は約束されていない。自分たちのサッカーを毎試合やっている。選手たちは勝ち点3を取るため、ゴールを決めるためにやっているわけではない。自分たちのサッカーをするために毎試合臨んでいる」(ポステコグルー監督)。

 ともすれば勝利を度外視し、ロマンに殉ずるかのようにも聞こえる言葉。しかし、実態は異なっている。2人のCBとGKで広大なエリアをカバーする超攻撃的布陣や、SBとボランチが入れ替わって組み立てるポゼッション偏重の戦術がメインに語られる中、MF喜田拓也は積み上げてきた『スタイル』を次のように表現する。

「そこは面白いもので、そういう印象やイメージは皆さんに限らず、見ている人みんなに抱いてもらって良い。ただ、自分たちは細かいところまでこだわって、みんなですり合わせて、みんなで良いものにしようぜってところでずっとやってきた。それは小さいものかもしれないけど、本当に小さい積み重ねが大きいところにつながっていくと誰もが信じて疑わなかった。それが最後、一番上に立つことで自分たちのものになるということ」。

 スタイルを追求した先には「大きいところ」、すなわちタイトルというゴールがある。6月29日にFC東京との首位決戦で敗れた直後、喜田は「最後に一番上にいれば問題ない」と語っていた。あれから5か月、横浜FMは2試合を残して「一番上」に立った。次節・川崎F戦の次には、あの日敗れたFC東京との最後の頂上決戦を控えている。

 ただ、ここまでの戦いぶりは「最後」を意識したものでもなかった。「あの時そうは言ったけど、最後までの計算もそうだし、(順位という)状況にはチームとして囚われてはいなかった。一戦一戦落とせない戦いを続けてきて、目の前の一戦に全てをかけて全員でやってきた」。あくまでも日々向き合ってきたのは次の一戦。また、その一戦でどれだけ積み上げてきたスタイルを発揮できるかということだった。

 そうした姿勢こそが、優勝争いのプレッシャーからの解放につながっている。ポステコグルー監督の言葉を喜田に伝えると「もう本当にその通り。優勝争いのプレッシャーがそこまで頭にないというか、目の前の一戦にどう勝っていくかの比重のほうが大きい」ときっぱり。「自分たちがやるべきことをしっかりしようということは理解しているし、相手どうこう状況どうこうよりもそれを大事にしている。そうやって取り組んできた。ここに来てもそういうメンタリティーでやれている」と自信に満ちた言葉が返ってきた。

 だからこそ、残り2試合。今さらその姿勢を変えるべくもない。「残り少なくなってきたからといって、優勝がかかってきたからといって、自分たちのやることを変えるつもりもない。そうやって自分たちは積み上げてきたし、最後まで自分たちらしく、仲間とチームを信じて、次の川崎F戦で勝ちに行きたい」。頼れるリーダーに率いられるチームはまず1週間後、2連覇王者を相手に全てを出し切る構え。その先にこそ栄光が待っている。

(取材・文 竹内達也)
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