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[MOM3069]桐光学園DF安久レオナルド高貴(3年)_沖縄の戦いで成長遂げたCB

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桐光学園高CB安久レオナルド高貴は落ち着いた守備で相手のカウンターを阻止

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.23 選手権神奈川県予選準決勝 桐光学園高 3-1 平塚学園高 相模原ギオン]

 夏の全国王者・桐光学園高にとって、緊張の初戦。前半、風上に立ったチームはアグレッシブな攻守を見せる一方、FW西川潤主将(3年)が「相当硬かったと思います」と分析した通り、硬さも見られて細かなミスが増えてしまっていた。

 加えて、強い風雨による悪コンディション。ボールの失い方が悪く、平塚学園高にカウンターを受けるシーンも幾度か見られた。サイドのスペースを活用され、前向きの状況からドリブルやワンツーでPAまでボールを運ばれてしまう。だが、桐光学園は最後の局面でDF安久レオナルド高貴(3年)とDF奈良坂巧(2年)の両CBが簡単に決定打を打たせなかった。リスク管理しながら判断の良い守備。安定した守りに支えられたチームはセットプレーから2点を先取する。味方のパスミスから1点を失ったものの、相手にリードを一度も与えることなく勝利した。

 鈴木勝大監督も安久を中心とした守備について評価。安久は「相手の縦パスをカットしたり、それをパスとして繋げるところは良かったと思います」。安久は怪我からの復帰直後ということもあってか、競り負けるシーンがあったことも確か。それでもDFリーダーとしての自覚を持って声を上げ、的確にプレーする背番号4は中心選手として勝利に貢献した。
 
 インターハイは5試合でわずか1失点の堅守によって日本一。安久自身もその戦いの中で成長を実感している。「最初、『(昨年の主力が卒業し、今年は)バックラインが弱い弱い』と言われていたけれど、インターハイで僕と奈良坂で守備の能力をひとつ上にできたと思っています。(沖縄のインターハイは)とにかく暑くて本当にキツイんですよ(苦笑)。でも、どんな時でも声出すとか、そこで声出すことで集中力が切れなかったり、最後の足を伸ばすとか、それは変わりました」。沖縄の戦いの中で高めた守備力。ゴール前でシュートを打たせない守備や特にゴール前で相手よりも一歩でも速く、一歩でも多く足を出す部分は今、桐光学園の強みになっている。

 昨年はピッチに立つことのできなかった選手権まであと1勝。安久は「自分、3年で最後なんで、この舞台を楽しみたいです。自分はそんなにできることはないと思っているので、声を出すとか、身体を張るとか、細かいところをやっていって、前の選手に気持ち良く点を取ってもらえるようにしたいです」。リラックスして選手権予選に臨んでいる桐光のDFリーダー。決勝ても自分がやるべきことを一つ一つ続けて、結果に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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