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日大藤沢MF植木が1タッチパスで攻撃にリズム。神奈川決勝は1年生対決にも注目

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日大藤沢高の中盤で好プレーを見せたMF植木颯(右)

[11.23 選手権神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 3-0 桐蔭学園高 相模原ギオン]

 神奈川決勝は1年生対決にも注目だ。MF植木颯(1年)は準決勝で日大藤沢高の3ボランチの中央でプレー。桐蔭学園高との“剥がし合い”“崩し合い”を挑んだ日大藤沢の中盤で丁寧に1タッチパスを繋ぐ姿が印象的だった。
 
 植木は「次の人に時間を与えるプレーをするのが自分の役割だと思っているので、(3ボランチを組む)植村(洋斗)君や斉藤(夏)君に時間を与えられるように、自分が少ないタッチ数でやることが試合を進める上で日藤ペースに持っていけるかなと思いました」。その精度は高く、彼の正確なパスが日大藤沢の攻撃のテンポ向上に繋がっていた。

 植木は1か月前ほどからタレント豊富な日大藤沢の先発としてプレー。佐藤輝勝監督は台頭してきた1年生MFについて「身体のバランスが整ってから本人も大分自信をつけて、今では黒子ができるくらいに。何が要求されてもできるように、3列目の脇やアンカーをやるようになってからチームで欠かせなくなってきた」と説明する。

 日大藤沢のピッチに立っているのは、他の選手から認められているプレーヤー。身体のバランス面が向上し、他の選手たちからの信頼を得た植木は今、チームの攻守の質を一つ高めている。

 Aチームでプレーするようになった当初に比べるとビビらずに自分を表現できるようになってきている。ただし、本人は満足していない。好プレーを見せていたこの日についても「緊張はしていないんですけれども、自分のプレーが全部できているかというとそうではないので、それが自分の今の課題。試合でミスがないくらいにパスをしたり、しっかり前の仲間に指示を出して自分がプレーしやすいようにしないといけないと思っています」と首を振る。日藤の一員として公式戦のピッチに立っている以上は、より高い水準を求めていく。

 決勝で対戦する桐光学園高には1年生ボランチ・岩根裕哉がいる。インターハイ予選準決勝で岩根は日大藤沢相手にCKを左足で直接決めて決勝点。彼は全国大会でも日本一に貢献し、大会優秀選手に選出されるなど注目度を高めている。植木にとってはチームが勝つためにも倒さなければならない相手だ。

 植木は「自分が勝って全国に行きたいです。岩根は展開力とかあって見ていて上手いと思うんですけれども、自分はもっと守備とかガツンといけると行けると思うし、負けられない」。チームが勝つために、目の前の相手にも勝つ。決勝でも中盤の攻防で主導権をもたらし、先輩たちとともに全国へ行く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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