beacon

前線で孤軍奮闘の興梠慎三「これが今の浦和レッズの実力」

このエントリーをはてなブックマークに追加

うなだれるFW興梠慎三

[11.24 ACL決勝第2戦 浦和0-2アルヒラル 埼玉]

 前線で孤軍奮闘した。キャプテンマークを巻いてピッチに立った浦和レッズFW興梠慎三は「勝てる自信はあったけど、結果、0-2で負けて、不甲斐ないというか、これが今の浦和レッズの実力なのかなと思う」と唇を噛んだ。

 敵地での第1戦を0-1で落として迎えたホームでの第2戦。2点差以上で勝つか、1-0で勝って延長戦に持ち込むしかない状況で、絶対に与えてはいけないのはアウェーゴールだった。しかし、0-0で耐える展開の中、後半29分に失点。「あの1点がすべてなのかな」と万事休した。

 攻撃時のビルドアップも相手のプレッシャーに遭い、パスコースを探すので精一杯だった。前半途中からは興梠がFWファブリシオとポジションを変え、2シャドーの一角に下がった。

「監督に言われたわけではないけど、回しの部分でうまくいってなかった。シャドーのポジションは大事だし、前から守備をするにしても、あそこがハマらないとうまくいかない。ファブリシオと変わろうかとピッチ内で話した」

 得点源のエースが組み立てにも参加せざるを得ない苦しい状況。結局、興梠はシュートゼロに終わり、チームとしても90分間でわずかシュート4本という完敗だった。「球際にしても、全部相手に上回られた」。相手の組織的な守備を崩せず、守備では相手の強烈な個に苦しめられた。

 元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミス、元イタリア代表MFセバスティアン・ジョビンコの2トップに、ペルー代表MFアンドレ・カリージョが右サイドに入る強力な攻撃陣。特にカリージョに関しては「2人でディフェンスしても切り裂かれていくというか、数的優位で守備をしてもはがされていた。自分たちもああいう状況で1人、2人とはがせる部分を身に付けないと」と脱帽だった。

 アジアでの戦いを終え、1週間後にはリーグ戦が再開する。残り2節で13位の浦和はまだJ1残留が決まっていない。「この悔しさを忘れちゃいけないし、J1で上位に入らないと、この舞台に戻れない」。そのためにもまずは残留を決めなければならない。興梠は「残留争いとかしている場合じゃない。残留を決めて、来季、Jリーグで優勝して、この舞台に戻ってきたい」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

●ACL2019特設ページ

TOP