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選手権まで3年生達と「やって良かった」。健大高崎は被シュート23本もGK倉石がファインセーブ連発

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健大高崎高GK倉石大夢はファインセーブを連発した

[11.24 選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 1-0 健大高崎高 正田スタ]

 王者・前橋育英高の前に健大高崎高GK倉石大夢(3年)が立ちはだかった。前半15分に左SB並木歩己(3年)がカットインから放ったシュートを横っ飛びで止めると、16分には右CKからMF倉俣健(3年)に至近距離から打たれたヘッドをストップ。18分にも抜け出してきた右SB山田涼太(3年)のシュートを身体で止めて見せた。

 守護神の活躍に触発されたように、健大高崎DF陣は好守を連発。前半だけでシュート12本を打たれながらも0-0で折り返す。「今まで無失点で来ていたので、何としても失点はしないと気合を入れていました」という倉石は、後半もコースを突いたMF山岸楓樹(3年)の決定的な一撃をビッグセーブ。ゴールをカバーリングしてくれる仲間を信じてクロスや1対1でも積極的に飛び出していたGKの活躍によって、スコアは後半半ばを過ぎても動かなかった。

 だが、後半25分、健大高崎は自陣でボールを失うと、FW中村草太(2年)にゴール前まで運ばれ、シュートを打たれてしまう。これは再び倉石が止めたが、こぼれ球をMF熊倉弘達(2年)に押し込まれて決勝点。倉石は「最後自分が弾ききれなくて、こぼれを相手に反応されて詰められたので……もうちょっと弾くところは弾くとか、はっきりとやっておけば良かったと思います」と唇を噛んだ。

 倉石は他の3年生と異なり、健大高崎のアスリートクラスではない。進学を考え、夏に高校サッカーから引退することも考えたという。だが、仲間たちと最後まで一緒にプレーすることを選択。「この3年生と最後までやりたいという気持ちが強かったので、やって良かったです」と胸を張った。

 この日、両校で最も目立つプレーを見せた守護神だが、本格的なサッカーは高校までと決めている。この日の悔しさは2位につけている群馬県1部リーグや、出場の可能性のあるプリンスリーグ関東参入戦、そして勉強面での力に。結果に繋げて、ともに頑張ってきた3年生たちと笑顔で卒業する。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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