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南アW杯戦士DF闘莉王が引退会見、J最終戦は負傷交代「最後まで自分らしいな」

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現役引退を発表した元日本代表DF田中マルクス闘莉王

 京都サンガF.C.のDF田中マルクス闘莉王が1日、東京都内のホテルで記者会見を開き、現役生活からの引退を発表した。2010年の南アフリカW杯に主力CBとして出場し、日本代表として43試合6得点を記録。Jリーグでは浦和や名古屋で数々のタイトルを獲得した規格外のDFが19年間のプロ生活に幕を閉じた。

 冒頭の挨拶で闘莉王は「あっという間の19年間のプロ生活を引退します。たくさんの人たち、ファン、サポーターに、こんなしょうもない人間をね、支えていただき、感謝の気持ちで胸がいっぱいです。本当にありがとうございます」と時折声を詰まらせながら感謝を語った。

 ブラジル出身の闘莉王は1998年、留学生として渋谷幕張高に単身来日。2001年に広島でプロ生活をスタートさせ、水戸時代の03年に日本国籍を取得すると、その後は浦和、名古屋、京都で主軸を担った。U-23日本代表としては04年のアテネ五輪に出場し、06年からはA代表に選出。10年の南アフリカW杯では史上最高タイのベスト16に導いた。

 Jリーグや日本代表での実績だけでなく、闘志を前面に出すキャラクターや、最終ラインから最前線まで攻め上がっていく規格外のプレースタイルでも人気を博した。浦和時代の08年にはチーム得点王の11ゴールを挙げるなど、DF登録では最多のJリーグ通算104ゴールを記録。得点力を買われ、前線で起用されることもあった。

 現役最終戦となったのは今年11月24日のJ2最終節・柏レイソル戦。プレーオフ圏内入りを目指したチームが1-13という記録的なスコアで敗れる中、闘莉王自身は前半途中の接触プレーで顔面に裂傷を負い、1-4で迎えたハーフタイムに無念の途中交代となった。

「まさかの最終戦で救急車に乗るとは思わなかった(笑)」。苦笑い気味に心境を振り返った闘莉王は「最後の最後まで自分らしいなと思った。この頭だけで何針縫っただろうと。数え切れない針がある中で、最後の最後は綺麗な顔で出てこようと思ったけど、神様は自分らしい姿でやってこいと。そういう選手だったと思います」と最後の勇姿を誇った。

(取材・文 竹内達也)
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