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引退決断DF闘莉王、いまでも悔やむ南アW杯「外すなら自分でも…」

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 現役引退を決断した元日本代表DF田中マルクス闘莉王にとって、19年間のプロ生活で最も印象的な記憶は2010年の南アフリカW杯のパラグアイ戦だった。「駒ちゃんがPKを外した瞬間がすごく印象に残っていて……」。1日、引退会見に出席した闘莉王は日本サッカー界の歴史的出来事について、時折ハンカチを顔に当てながら振り返った。

 日本代表は2010年6月29日、南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦でパラグアイと対戦し、0-0で迎えたPK戦の末に3-5で敗れた。後攻日本の4人目キッカーを担ったDF駒野友一(FC今治)のキックがクロスバーに当たった後、相手の5人目が成功。そこで試合が終わったため、5人目に登場するはずだった闘莉王の出番はなかった。

「次のキッカーが自分だったということもあって、自分のところまで回ってきたらどうだったんだろうなと。それも神様の自分に対する嫌がらせかなと。外すんだったら自分でも良かったんじゃないか。あそこで蹴れなかったことをどれだけの夜を眠れずに過ごしたか……」。

 闘莉王が語ったのは駒野が外した悔しさではなく、自身が蹴っていたらどうなっていたか。「あんなに『こんなボールを蹴りたい』『こんなキックをしたい』と思うことは今までなかったなと。岡田監督に『お前蹴るぞ』と言って頂き、すぐに『ハイ』って言ってしまった自分はどうかしていたなと。その結末も見られずに終わったのが印象的だった」と今も心に残る悔恨を吐露した。

 そんな闘莉王は未来の日本代表への思いも口にした。「自慢に聞こえてくるかもしれないが、いまだにベスト16の壁を一番近くで越えそうだったのが2010年の代表だった」と述べ、「もっともっと子供たちが日本代表になりたい、このチームを応援したい、やっぱり楽しいなと思ってもらえるように。また代表だけでなく、Jリーグもそうやって盛り上げてほしい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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