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裏での努力「気づいてくれるんだな…」。先発掴み取った日大藤沢MF浅野が決勝ゴール!

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後半9分、日大藤沢高MF浅野葵が先制ゴール

[11.30 選手権神奈川県予選決勝 桐光学園高 0-1 日大藤沢高 ニッパ球]

 背番号26のゴールが、日大藤沢高を5年ぶりとなる全国へ導いた。日大藤沢は0-0の後半9分、MF植村洋斗(3年)が左タッチライン際からのドリブルで斜めに切れ込む。そしてDFを剥がして出したラストパスをMF浅野葵(3年)が右足でゴールに押し込んだ。

「植村がドリブルで絶対に抜くなと分かったので、あそこに入りこむだけだなと思ったんですけれども、ゴールシーン、本当に覚えていないので……。(シュートも)瞬間的なのでどんな感じか分からないです……」。試合後同様、ゴールを決めた直後もやや驚いたような表情をしていたことが印象的だった背番号26。思い通りの活躍ができなくても努力を続けてきたという男が、見事に選手権予選決勝でヒーローになった。

 今年は植村が不在だった関東大会本大会で先発を務めるも、その他は主にベンチスタート。6月のインターハイ予選は出番がなかったという。だが、試合に出て活躍するために1年時から続けてきた努力は欠かさなかった。

 その姿を佐藤輝勝監督やコーチ陣は見逃さなかった。今大会、目に見える成長を遂げた浅野を先発起用。浅野は「1年生の頃から裏で努力していて、あんま監督の見られないところで努力していたんですけれども、なのに『努力しているの分かるよ』と言われていて、気づいてくれるんだなと思っていました」と感謝する。

 最高学年となった今年はよりチームのために努力するようになった。試合に出れなくても、「それが自分の実力」と理解し、努力を継続。その日常が報われることを知ったMFは、また努力して全国大会を迎える。

 この日、連動した崩しや守備でも奮戦。浅野は「この(選手権出場や打倒・桐光学園高の)ために努力してきたと思うので、全国もあるけれども、引き続き努力して行ければ良いと思います」と力を込めた。この日出た自身・チームの課題と向き合い、改善して全国でも再び輝く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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