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JFL奈良クラブ、観客数の水増しを謝罪「J3昇格基準を達成できない危機感から常態化していた」

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 日本フットボールリーグ(JFL)に所属する奈良クラブは7日、先月29日にSNSの投稿で観客席の写真とともに入場者を水増ししているとの指摘があり、調査を実施した結果、2015年度から継続的に水増しの事実があったことを発表した。クラブ公式サイトを通じて「深くお詫び申し上げます」と謝罪している。

 クラブによると、水増しが行われた対象試合は2015〜2019年度のJFL。水増しの方法については、入場者として認められていない人をカウントするとともに、最終的に集計された数字を割増しし、公式入場者数として発表していたと説明している。年度別1試合平均で、2017年度は498人、2018年度は444人、2019年度は567人の差異があったという。

 また、水増しが行われた背景に関して「2015年度にJFL参入後、J3昇格基準である年間入場者数3万人を達成するため、なるべく多く見せたいとの気持ちが働き、徐々に水増しすることが常態化していきました。本年は水増しを止めようと開幕戦に臨みましたが、開幕戦・2試合目と入場者数が伸びず、このままではシーズン早々に年間3万人を達成できないことが確定してしまうとの危機感から、2試合目から水増しが再開され、その後常態化し、シーズン終了まで続きました」と明かした。

 クラブは再発防止に努めるとし、今後は『入場口でのカウンター計測人員を増員し、正しい計測ができるよう努める』『JFLと相談の上、入場者数の集計用紙に対するチェック機能を強化する』『試合当日の集計用紙は1年間保管する』と対応策を示している。

 なお、クラブは今回の事態を重く受け止め、代表取締役社長である中川政七氏に1年間の報酬の全額返上、2015〜2018年当時クラブの代表者だった矢部次郎氏に1年間の報酬の30%減の処分を下すことを発表した。

 クラブは最後に改めて「本件に関しましてファン・サポーター、パートナー企業、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今回のことを教訓とし、これまでの悪しき習慣を断ち切り、皆様に愛されるクラブとなれるように、信頼回復に努め精進してまいります」としている。

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