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「最後に迷惑をかけた」優勝決定戦で一発退場の横浜FM朴一圭、J3→J1の“個人連覇”達成

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横浜FMのGK朴一圭

[12.7 J1第34節 横浜FM3-0FC東京 日産ス]

 “個人連覇”の瞬間はピッチの外で迎えた。一抹の悔いを残しながらも横浜F・マリノスのGK朴一圭はJ1制覇の喜びに浸っていた。

 昨季は前所属の琉球でJ3優勝を経験。今季は新天地の横浜FMに完全移籍を果たし、カテゴリーを飛ばしてのリーグ連覇を成し遂げた。「(横浜FMに)来たときからタイトルを目標にしていた。筋書きどおりという言い方はおかしいけど、思い描いたとおりに事は運んだと思う」。移籍初年度のJ1制覇という最高のシナリオに自画自賛した。

 ここ数年、横浜FMの守護神を担ってきたGK飯倉大樹(現神戸)からポジションを奪ったのは3月29日の第5節。ケガで離脱する時期もあったが、25試合でゴールを守り、J1優勝チームの正GKとしてタイトルに貢献した。

 アンジェ・ポステコグルー監督に対し、「(飯倉)大樹くんから自分に代えるという大胆なことをした。期待に応えたいというのはあったし、パフォーマンスが良くなくても使い続けてくれたことに感謝している」との思いを語った朴だが、「最後に迷惑をかけてしまった」と悔やむ。

 ハイラインを敷く横浜FMの最終ラインにおいてGKの役割は大きい。この日も果敢に飛び出し、DFの背後を突かれたボールを何度となくPA外でクリアした。2-0で迎えた後半17分、相手のロングボールをGKに戻そうとしたDFチアゴ・マルチンスのヘディングが小さくなり、FW永井謙佑が詰めると、PA外へ飛び出した朴と交錯。最初はプレーを流した木村博之主審だが、副審のアドバイスを受け、朴のファウルを取り、イエローカードを提示した。

 その後、両チームはFKに備えていたが、副審と協議した木村主審はイエローカードを取り消し、朴にレッドカードを提示。決定的な得点機会の阻止として一発退場になった。それでも「信頼できる仲間たちがいるし、落ち込むことなく切り替えた」と、代わりにゴールを守ったGK中林洋次らチームメイトを信じ、その時を待った。

「10人になっても3点目を取ってくれた」。チームは後半32分にダメ押しの3点目。3-0の完封勝利で7連勝フィニッシュを飾り、J1制覇に花を添えた。「タイトルという結果で期待に応えられたことはうれしい」。ポステコグルー監督への感謝を語る守護神はこの日の退場を念頭に「来季、また信頼を取り戻してやっていきたい」と、王者として迎える来季への抱負を語った。

(取材・文 西山紘平)

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