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インカレか、A代表か—。“苦渋の決断”迫られたMF田中駿汰「自分から『行かせてください』と」

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日本代表の一員としてE-1選手権に参加する道を選んだMF田中駿汰(大阪体育大)

 日本代表MF田中駿汰(大阪体育大)は今回のメンバーで唯一の現役大学生。E-1期間中には「4年間の集大成」という全日本大学選手権(インカレ)が行われているが、苦渋の選択を経てA代表にやってきた。「与えられた場所で頑張る」——。自らの決断が正しかったと証明するためにも、次の香港戦で出番をつかんでアピールしたい構えだ。

 今年5月に来季の札幌入りが内定し、同じタイミングで来年の東京五輪を目指すU-22日本代表に初選出。足早にトッププレーヤーへの階段を駆け上がる22歳だが、普段は大阪体育大でプレーする大学生だ。今季は2年連続での関西制覇に大きく貢献し、自身はリーグMVPも獲得。最後のインカレでは本気で全国制覇が狙える状況にある。

 しかし、そこでE-1選手権に臨むA代表から招集がかかった。「4年間の集大成としてインカレに向けてやってきたのでとても悩んだ。ただ、A代表ということなのでそんなに光栄なことはない。結果的には自分から『行かせてください』と言った」。インカレ合流は最短でもE-1閉幕翌日の準決勝から。まずは最後の冬を仲間に託す形となった。

 それでも失うものが大きいぶんだけ、心に留めた覚悟は大きくなった。「自分がしっかりこっちで頑張ることによって、みんなも刺激になってインカレで頑張ってもらえれば。自分は与えられた場所で頑張ることを意識してやっている」。A代表合流から4日間、並ならぬモチベーションで日々の活動に取り組んでいる。

 中3日の連戦が続く中、14日の香港戦は大幅にメンバーが入れ替わる見込み。練習でアピールができれば、出番も大いにあり得る。奇しくも香港戦の試合日は、大阪体育大のインカレ初戦の日。吉報を待って試合に臨む田中は「プレッシャーはあるけど、緊張はそんなにしていない。自分がやってきたことを出していければ」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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