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[MOM656]東海学園大MF児玉駿斗(3年)_「蹴った瞬間ガッツポーズ」“瞬時の判断”で沈めた直接FK弾

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直接FKを沈めた東海学園大MF児玉駿斗

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]

[12.11 インカレ1回戦 東北学院大0-3東海学園大 川口]

 一体、どちらが蹴るのか――。後半11分に得たFKのチャンス。ボールの前には東海学園大MF児玉駿斗(3年=中央学院高/21年名古屋内定)とDF神谷凱士(4年=東海学園高/川崎F内定)の2人が立っていた。ともにフェイントを入れていたが、ボールに向かったのは児玉だった。

 ボランチの位置でスタートした児玉は、状況に応じて前線、サイドへと顔を出してボールを呼び込む。パスを受ければ巧みなキープで味方が攻め上がる時間を生み出し、さばけば再び動き直してパスを受けられるポジションに。積極的にボールに絡んで攻撃の潤滑油となった。

 前半35分には浮き球のパスを最終ライン裏へ落とすと、MF榎本啓吾(2年=千葉U-18)のシュートのこぼれ球をFW加藤大貴(4年=東海学園高)が押し込んで先制点が生まれる。そして、後半11分には児玉自身がゴールを陥れた。

 榎本が倒されて得たFK。神谷凱とともにボールの前に立った児玉はキックフェイントを入れつつ、「カイトが譲ってくれた」と助走を開始。「助走に入るまでGKを見ていた」児玉は、対峙するGK鈴木悠真(4年=東北高)が「ニアサイドに動いたのが見えた」ため、瞬時の判断で「蹴る方向を変えた」。すると、右足から蹴り出されたボールはファーサイドへと突き刺さり、貴重な追加点が生まれた。

「蹴った瞬間、ガッツポーズだった。あそこだとニアに蹴ることが多いと思うけど、GKが動いたのが見えたので、クイっと変えました」

 さらに後半22分には右サイドの榎本へパスを通すと、クロスをMF白川大吾廊(3年=静岡学園高)がヘディングで叩き込み、チーム3点目。全得点に絡むパフォーマンスを披露しながらも、「まだまだ。もっとやれると思うし、もっとやらないといけない」と決して納得はしなかった。

 大学1年時の18年3月に名古屋への加入内定が発表された。3年後の21年に加入という異例。当初は「周囲の目もあったので、しんどい部分や難しい部分もあった」ようだが、「でも、もう慣れた」と笑ったように、「ここ(東海学園大)で、うまくなれているので、ゆっくりやれればいいと思う」とマイペースで成長を遂げている。そして、特別指定選手として名古屋でプレーし、風間八宏前監督から指導を受けたことで意識の変化もあった。

「授業もあって、風間さんと練習させてもらった時間は短かったけど、プレーが変わったと思う。止めて蹴るだけでなく、出した後の動きや守備面の意識も変わった。そこは内定後に成長できた部分だと思う」

 名古屋加入まで、あと1年。階段を少しずつ上る男は、「4年生のために頑張りたい。東学らしいサッカーを見せればいい結果がついてくると思うので、頑張りたい」とまずは目の前の試合、目の前の大会での結果を追い求める。

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(取材・文 折戸岳彦)

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