beacon

赤木&田中コンビが大暴れ!“初のリーグ全勝V&3冠”IPU・環太平洋大が2年ぶり初戦突破

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW赤木直人(4年=飛龍高、左)とMF田中翔(4年=佐賀東高、右)が大暴れ

[12.11 大学選手権1回戦 宮崎産業経営大0-4IPU・環太平洋大 AGFフィールド]

 第68回全日本大学サッカー選手権大会が11日に開幕し、1回戦が行われた。AGFフィールドの第1試合ではIPU・環太平洋大(中国1)が宮崎産業経営大(九州3)に4-0で快勝し、2年ぶりとなる初戦突破を果たした。14日の2回戦では大阪体育大(関西1)と対戦する。

 2007年の開校と同時に創部したIPU・環太平洋大サッカー部史上最強チームが今季だ。中国大学サッカーリーグ1部を5連覇しているが、全勝優勝は今季が初。また同一年度に天皇杯予選、総理大臣杯予選、そしてリーグとすべてを制したのも初。“3冠”という史上最高成績を残して、冬の日本一を決める舞台にやってきた。

 自慢の攻撃力が初戦から爆発した。特にリーグ戦でも得点を量産してきたエースのFW赤木直人(4年=飛龍高)とMF田中翔(4年=佐賀東高)が序盤からエンジン全開。そして前半9分に左サイドから赤木の打ったシュートのこぼれ球を何なく押し込み、2人の関係性から先制点も決まる。

 前半16分の田中の右足シュート、同28分の赤木が左サイドから持ち込んで放った強烈な左足弾はいずれも枠に嫌われたが、危なげなく前半を1点リードで折り返すと、後半5分には赤木が中央から持ち込んで右足で豪快にゴールネットを揺らす。

 さらに後半12分には赤木の浮き球パスで裏に抜けた田中がGKとの1対1を軽々制して、決定的な3点目を奪う。同38分にはこれも裏に抜け出した途中出場のFW岡本奈也(4年=大阪偕星学園高)にもダメ押し弾が生まれた。なお、IPU・環太平洋大の総シュート数は17本だったが、赤木が9本を放つなど、得点した田中、岡本の3人で16本を数えてみせた。

 攻撃に破壊力がある分、強豪と対戦した時にどこまで守備が踏ん張れるかが躍進のカギとなる。ただこの日の九州リーグ得点王のFW宇津元伸弥(2年=鵬翔高)に何もさせなかったことは自信にしていい。

 玉野光南高時代の選手権岡山県予選で延長後半終了間際に劇的なスーパーゴールを決めたことで話題を集め、今季よりCBに挑戦している主将DF土居晃貴(4年=玉野光南高)も「全国大会の負けた試合でも2点は取れているので、あとは自分たちがどれだけ抑えられるかだけ」と意気込みを語る。

 2年ぶりとなるインカレ2勝目を挙げたIPU・環太平洋大の次なる相手は、関西学生リーグで2年連続チャンピオンになった大阪体育大だ。関西MVPのMF田中駿汰(4年=履正社高)は日本代表に選出されているために欠場となるが、強豪校に変わりはない。

 また同校は桂秀樹監督の母校でもある。4年前のインカレでも対戦しているが、0-2で力負け。しかし「一方的で歯が立たなかった」と振り返る同時とは違う試合が出来るという確信も持っている。

 1回戦で力を出し尽くさないように、この日も早めの交代策で主力の体力を温存させた。土居主将が「(監督の母校に勝ちたいという思いが)チームにも伝わっている。厳しい試合になるとは思うけど、耐えて耐えて、1点をもぎ取って勝ちたい」と話したように、2回戦突破へ向けた思いでイレブンは一致団結している。歴史を変える準備は整っている。 

(取材・文 児玉幸洋)


●第68回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP