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90+3分での機転。劇的な決勝ゴールで常葉大が初戦を堂々突破!

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後半アディショナルタイムに劇的な決勝点が決まった

[12.11 大学選手権1回戦 北陸大0-1常葉大 柏の葉]

 第68回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は11日、1回戦を各地で行い、柏の葉公園総合競技場の第1試合は、北陸大(北信越2)と常葉大(東海2)が対戦。スコアレスで迎えた後半アディショナルタイムのラストプレーで、MF加藤隼登(1年=磐田U-18)が劇的な決勝ゴールを叩き込み、常葉大が2年ぶりに初戦を突破した。

 立ち上がりは北陸大がセットプレーを数多く獲得し、左サイドバックのDF竹林晃輝(3年=富山一高)が得意の左足を振るうも、6分にMF山本賢(4年=大垣工高)が常葉大のGK坪歩夢(2年=青森山田高)にキャッチを強いるミドルを放った以外は、フィニッシュに結び付かず、徐々に常葉大がボールを持つ時間が長くなる。

 だが、「相手が思った以上に来なかったですね。ウチは来てくれた方がカウンターを仕掛けやすかったんだけど、ボールを持っちゃうとなかなか入れないから」と澤登正朗監督が言及したように、この流れはむしろ常葉大にとって想定外。ボール支配に見合ったチャンスは創れない。

 一方の北陸大も、190センチの長身を誇るFW長島グローリー(4年=清明学院高)にボールを送り込み、10番を背負うMF東出壮太(3年=津工高)や、ワイドのFW矢島芽吹(3年=日大藤沢高)とFW高橋大樹(4年=富山U-18)を生かしたい意図は見えるものの、「中学校の頃からヘディングだけは練習してきましたし、相手の狙いが9番(長島)に当てて落としてという所だったので、そこを僕と柊哉くんでしっかり潰せたかなと思います」と語るDF速水修平(1年=磐田U-18)とDF山下柊哉(3年=作陽高)で組む常葉大のセンターバックコンビもきっちり対応。前半は双方譲らず。0-0でハーフタイムへ折り返す。

 後半19分には常葉大に決定機。DF野田椋雅(3年=山梨学院高)の右クロスを、エリア内で収めたFW土井智之(4年=神戸弘陵高)はフィニッシュまで持ち込むも、ここは北陸大の右サイドバック徳永椋太(4年=浦和南高)が気合のブロック。28分も常葉大のビッグチャンス。野田の右ロングスローから、FW新里勇人(2年=磐田U-18)の落としを、加藤が至近距離から狙うと、今度は北陸大のキャプテンを任されたMF高嶋由哉(4年=C大阪U-18)が執念のブロック。この2つのシーンには、苦笑を浮かべた澤登監督からも思わず「何でああいうのが入らないのか不思議なくらいで。オレだったら余裕で入るのに」と本音が零れる。

 すると、34分に先制の絶好機を迎えたのは北陸大。鋭い出足のパスカットから、竹林が正確なクロスを中へ。フリーで待っていた高橋のヘディングは、しかし枠の右へ外れてしまい、頭を抱えるピッチとベンチ。常葉大も41分に途中出場のMF岸孝宗郎(1年=作陽高)が放ったシュートはクロスバーに嫌われ、43分にやはり途中出場のFW小松慧(1年=青森山田高)が繰り出したローリングヘッドも枠外へ。掲示されたアディショナルタイムは2分。誰もが延長突入を覚悟した時間に、そのドラマは待っていた。

 岸が仕掛けて奪った左CK。この局面で速水はある提案を山下へ持ち掛ける。「基本的には柊哉くんがニアで、僕がファーだったんですけど、今日はなかなかボールがニアを越さなかったので、『自分がニアに行きたい』と言いました」。土井が丁寧に蹴ったキックは、2枚のマーカーを引き連れたニアの速水を越えて、ファーの山下へ届く。

「フリーで叩くことができたので、あとは中の選手を信じて、速いボールを中に送ろうと意識しました」という折り返しに飛び込んだのは加藤。ボールがネットへ吸い込まれると、ゴールとタイムアップのホイッスルが続けざまに鳴り響く。「セットプレーは相当やり込んでるから。松本山雅みたいに。ソリさんみたいに(笑)」と指揮官が笑えば、「シビれましたね。1年間やってきたことが、ここでやっと報われたかなと思います」と山下も満面の笑顔。劇的過ぎるエンディングを引き寄せた常葉大が、次のラウンドへと駒を進めることとなった。

 2回戦の相手は関東2位の桐蔭横浜大。難敵であることは間違いないが、こういうチームとの対戦を待ち望んできた。「やっぱり関東や関西との差は当然あるんですけど、東海のチームはその差をどう埋めるのかが非常に大事な部分を占めているので、もちろん各世代を代表する子たちは関東や関西に行く中でも、それを我々も穴埋めできるよということを証明しないといけない」(澤登監督)。「僕らは関東の選手に技術で劣ると思うんですけど、そこをサッカーの理解度だったり仕組みで補ってきているので、自信を持ってやれればいいかなと思います」(加藤)。相手にとって不足なし。常葉大の『常昇躍動』は果たしてどこまで。

(取材・文 土屋雅史)


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