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MF矢尾板が約50mのスーパーゴールも…帝京長岡は「1-4」を選手権で5試合勝ち抜くための糧に

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前半11分、帝京長岡高MF矢尾板岳斗が約50mのスーパーゴール

[12.13 プレミアPO1回戦 帝京長岡高 1-4 横浜FMユース コカ広島ス]

 前半11分、帝京長岡高は速攻から一度ボールを失いかけながらも、MF矢尾板岳斗(3年)が競り合いを制してボールを収める。すると、ハーフウェーライン付近で前を向いた背番号11は、「GKが前に出ていたのでそのまま打てば入るかなと」と右足一閃。約50mの超ロングシュートは、相手GKの頭上を越えてそのままゴールネットに吸い込まれた。

 今年U-17日本代表候補にも選出されているドリブラーのスーパーゴールで先制点。だが、矢尾板は「逆にあそこで自分たちが緩くなっちゃって、守備とか行けていなかったので、もうちょっと自分たちのペースでボールを持って守備も行けていれば良かったかなと思います。自分たちのやりたいことを相手にやられたかなと思います」と振り返る。

 ボール支配と、個々の発想力と技術力による崩しを特長とするチームがこの日の前半はカウンター中心の攻撃になってしまっていた。パスワークが相手の守りに引っ掛けられてしまったこともあったが、横浜FMユースにボールを支配されて多くの時間帯で押し込まれる展開。MF本田翔英(3年)やU-18日本代表FW晴山岬(3年、町田内定)が鋭く抜け出すシーンもあったが、不用意な失点もあり、逆に2点差をつけられて前半を折り返してしまう。

 後半はMF谷内田哲平主将(3年、京都内定)を中央から左サイドへ移し、ボールを保持する時間帯を増やした。古沢徹監督も「(前半から)後半くらいもうちょっと落ち着いていたら」と残念がっていたが、攻撃のリズムを掴んでも2点差は重く、逆に1点を追加されて1-4で敗戦。プレミアリーグ昇格は来年以降に持ち越しとなった。

 今年は攻守にタレントを擁し、技術レベルは全国でもトップクラスにあることは間違いない。だが、古沢監督はこの日、運動量の少なさなど甘さがあった部分を指摘。「(12月30日開幕の選手権へ向けて)鍛え直して、明日の朝から練習します」。また矢尾板は「やられちゃったので、またゼロからやり直して気を引き締めてやって、日本一になれるように。(個人的には)選手権でも点を取ってチームの勝利に貢献できたらなと思っています」。この日はらしさも、献身性も欠いての敗戦。「1-4」を選手権で5試合を勝ち抜くための糧にする。
 
(取材・文 吉田太郎、)
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