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“生命線”で王者苦しめた福岡大…乾監督「惜しい試合をしたかったわけではない」

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福岡大は2回戦で姿を消すことに

[12.14 インカレ2回戦 福岡大1-4法政大 柏の葉]

 前回王者である法政大を苦しめた。しかし、勝利には届かなかった。福岡大を率いる乾真寛監督は「準備してきたことを非常に良くやってくれた」と奮闘した選手たちを労った。

「福大というチームが全国大会で戦う上での生命線」。球際で激しく戦い、粘り強く相手攻撃をはね返す。決してドン引きして守るのではなく、中盤にもプレッシャーをかけてボールを奪い、縦に速い攻撃から勝機を見出そうとする。法政大の長山一也監督が「福大さんの守備は本当に硬く、なかなかこじ開けられなかった」と評したように、“生命線”となる堅固な守備が崩される様子はなかった。

 法政大の攻撃のキーマンとなるMF紺野和也(4年=武南高)にも決して自由を与えず。たとえ突破を許しても、クロスをしっかりと打ち返して好機へと結び付けさせなかった。王者の攻撃をはね返し続け、「勝ちの流れに持ち込めていた」が、福岡大にも得点は生まれずに0-0のまま延長戦に突入。すると、後半途中から次々とフレッシュな選手を投入して徐々に圧力を強めていた法政大に延長前半2分に先制点を献上し、4分後にはPKで追加点を奪われた。「諦めずに頑張る力も残っていた」とFW花田佳惟斗(4年=興國高)が強烈なミドルを突き刺して1点差に詰め寄ったが、その後2失点を喫して1-4で敗れた。

 昨年は2回戦で明治大を1-0で撃破。指揮官は試合後に「残念ながらかっこいいサッカーではないし、上手いサッカーではないし、面白いサッカーではない。でもやっぱりこれがトーナメントの勝ち方」と振り返っていた。この日も、昨年の明治大戦同様に粘り強く対応し、最後は体を投げ出してでもゴールを守り、法政大を苦しめるも結果だけがついてこなかった。

 キャプテンを務めるDF饗庭瑞生(4年=立正大淞南高)は「準備してきたことは出せたので悔いはない」と振り返り、指揮官も「福大は関東、関西のチームに簡単に屈するチームではないと爪痕は残せたと思う」と語りつつ、「ただ、厳しい相手に善戦でいいとは思っていないし、惜しい試合をしたかったわけではない」と勝利を手にできなかったことに唇を噛んだ。

(取材・文 折戸岳彦)
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