beacon

明治大3冠へ好発進!“隙のない強さ”で鬼門のインカレ初戦突破

このエントリーをはてなブックマークに追加

明治大が“鬼門”の初戦を突破した

[12.14 インカレ2回戦 中京大0-3 明治大 味フィ西]

 第68回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は11日、2回戦を各地で行い、明治大(関東1)は中京大(東海3)と対戦。盤石の試合運びを見せた明大は、FW狩土名禅(3年=桐生一高)の2得点などで3-0と大事なトーナメントの初戦で快勝を飾った。2回戦を突破した明大は、16日の準々決勝で筑波大と対戦する。

 今季の関東大学サッカーリーグを圧倒的な強さで制した明大だが、だからインカレも問題ないかと言えば、そうと言えないことは過去の例からも明らかだ。栗田大輔監督が「関東を戦い抜くとすごく疲れてしまい、インカレにマインドが向いていかないところがあった」と振り返るように、リーグ戦の結果とカップ戦の結果が必ずしも比例しないのは大学サッカーに限った話ではなく、サッカーの常だ。それゆえに、慎重に引き締めてきた。

 DF佐藤瑶大(3年=駒澤大高)は「監督からも『いいときにこそ締めろ』という話をずっとされてきた。明治は昨年、一昨年と初戦で同じような負け方をしていたし、緩んだりすることはなかった」と言う。ある意味、部員の心に残っている『嫌な記憶』がリーグを圧倒的な強さで制してなお緩まない空気を作っていたのかもしれない。

 試合は「最初は事前に思っていたより相手の圧を感じて手こずった」とFC東京内定のMF安部柊斗(4年=FC東京U-18)が振り返ったとおり、まずは中京大が仕掛ける形で幕を開けた。開始早々に最終ライン裏へと抜け出したアビスパ福岡内定の注目FW東家聡樹(4年=福岡U-18)が決定的なシュートを浴びせる絶好機を作ったが、ここは愛媛FC内定のGK加藤大智(4年=名古屋U18)が阻止。これが中京大にとっては唯一のシュート機会となり、以降は明大がペースを奪い返していく流れとなる。

 この流れの中で大きな仕事をしたのは3年生FWコンビだった。26分、CKからの二次攻撃でペナルティーエリアの左奥でパスを受けたFW狩土名が左足の豪快なシュートを突き刺して先制点を奪うと、43分には鹿児島ユナイテッドFC内定のMF中村健人(4年=東福岡高)のクロスにFW佐藤凌我(3年=東福岡高)が頭で合わせて追加点を奪い取る。「高校から一緒にやっているので、『健人さんならここに入っていったら出してくれる』という信頼がある」という東福岡ホットラインが繋がってのゴールだった。さらに後半15分にも狩土名が追加点を奪った明大は、3-0と快勝。交代選手の質の高さも含め、隙のない強さを見せ付けた。

 もっとも、栗田監督はゴールポストに何度も嫌われて追加点を奪えなかった場面やPKを外した点、あるいは試合開始早々の大ピンチなどにフォーカスし、「一つのプレーで勝負が決まる。引き締め直さないといけない」と勝って兜の緒を締め直すことを忘れなかった。

(取材・文 川端暁彦)


●第68回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP