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後半AT3分の決勝弾を直前途中出場の主将DFが演出!初出場立正大が新興校・新潟医福大の挑戦退ける

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立正大がAT決勝弾で勝利した

[12.14 大学選手権2回戦 新潟医療福祉大0-1立正大 浦安]

 第68回全日本大学サッカー選手権大会の2回戦が14日に行われ、立正大(関東3)が新潟医療福祉大(北信越1)を1-0で退け、初戦を突破した。16日の準々決勝では関西学院大(関西2)と対戦する。

 どちらに転んでもおかしくない、緊迫した試合展開になった。ベンチスタートになっていた主将DF中塩大貴(4年=浦和ユース/甲府内定)もこれまでにないほどの緊張感を感じていたという。終盤になってもスコアは動かない。早くピッチに立ちたい思いはあったが、チームメイトを信じて、勝利の瞬間を待った。

 しかし出番は突然やってきた。延長突入も見えていた後半アディショナルタイム2分、自軍ゴール前でDF今村晃(4年=市立船橋高)が足を押さえて倒れ込む。つってしまったために、プレー続行が困難となった。そこで中塩が指名された。

「延長にはしたくない」

 勝ち上がれば次戦は中1日。出来るだけ疲労を残さないためにも、何とか90分でゲームを終わらせたかった。「自分が勝負を決めよう」。強い思いを持ってピッチに入った中塩にいきなりチャンスがやってくる。後半アディショナルタイム2分、セットプレーのこぼれ球を拾った中塩が左サイドからクロスを上げる。これがファーサイドにいたMF梅村豪(3年=清水ユース)の頭にピタリ。これがインカレ初出場初勝利を決める決勝弾になった。

 チームの主将で卒業後はJリーグクラブへの入団が内定。欠かせない中心選手であることは明らかだが、今季終盤はベンチ入りから外れることもあった。これはチームに負けが込んでいたこともあり、杉田守監督の決断したことだった。

 中塩自身へのもう一段階の成長を期待してのことでもあり、本人も十分に自覚する。「この時期までサッカーが出来ているのはみんなに感謝です。最後なのでもちろん試合には出たいと思うけど、チームが勝つことが第一。今日はいい形で結果にて良かったかな思います」。

 一方の新潟医福大は、関東代表を苦しめながらも、今年も勝利にはあと一歩届かなかった。初戦の0-3からの逆転勝ちで勢いを持って2回戦を迎えていたこともあり、立正大と互角以上の戦いぶりを繰り広げるが、最後の決定力の部分で差が出てしまった。

 元桐光学園監督で就任6年目の佐熊裕和監督は「意図した攻撃やハードワークからの守備は出せたかなと思いますが、延長も含めて1点差勝負になると思っていたところで集中が少し切れてしまった」と唇を噛む。

 昨年も2回戦で優勝した法政大に2-3で惜敗し、悔しい思いを持って1年間を戦ってきたというが、今年も「ベスト8以上」という目標を叶えることは出来なかっった。

 ただ「今日のゲームも悲観することはない」とも話す。この日のスタメンに5人の1年生が並んだように、来年以降も楽しみなチーム。「北信越でも十分に通用するんだという発信をしたい。悔しさを一年間持って、またトレーニングを積んでいきたい」とリベンジを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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