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立正大対新潟医福大、先発に市船出身者が5人!「縁を感じた」

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[12.14 大学選手権2回戦 新潟医療福祉大0-1立正大 浦安]

 インカレともなると、スタメン表の前所属チームの欄には、強豪ユースや強豪高校の名前がずらりと並ぶ。全国大会での“同門対決”を楽しみにする選手も多いが、立正大にはDF今村晃(4年)、MF秦野寛悟(4年)、DF半田尚之(3年)。新潟医療福祉大にはDF喜岡佳太(4年/長野内定)、FW矢村健(4年/新潟内定)と、合計5人の市立船橋高出身選手が11人の中に並んでいた。

 今村は「もちろん、意識していました」と振り返る。試合前にはあえて話しかけることはなく、目線すらも合わせなかったという。高校時代、今村はほとんどをBチームで過ごしたため、レギュラーだった矢村のプレーを応援席から見ることが多かった。そのため「憧れじゃないですけど、悔しい思いをずっと持っていた」という。

 ただ4年間の大学生活を経験した後に、どちらかが大学サッカー最後の試合なる試合での激突。一学年下の後輩である半田と、矢村らを止める役割を任されていた。結果、タレント豊富な攻撃陣をシャットアウトして成長を示すことになり、さらに味方が奪った後半アディショナルタイムの劇的弾によってチームも勝利した。

 試合後は「頑張って優勝してくれ」「任せろ」という言葉を交わし合ったという。今村は「個人的には全国大会で戦うことが出来て縁を感じました」と充実の表情を浮かべた。

 新潟医福大のCB喜岡も高校の最後はBチームで過ごした選手だった。4年間新潟の地で鍛錬を続け、卒業後のプロ内定を勝ち取った。新潟医福大進学後、1年生の時は全く試合に絡めなかったが、「周りに合わせるより、人一倍やらないといけない」という思いで努力を重ねてきたという。

 ただプロになることができたからと言って満足するつもりもない。対戦相手だった今村が大学でサッカーを辞めることになるなど、この先、サッカーを続けることが出来る選手は限られていく。喜岡自身も「プロになれたのは自分だけの力じゃない」と改めて気を引き締める。

 またプロの世界ではさらに厳しい競争に打ち勝っていかないといけない。長野はすでに喜岡を含めた6人の大卒選手の入団内定を発表。その中だけでなく、もちろん既存選手からレギュラーを奪わないと試合に出ることはできない。

 大学4年間で全国ベスト8入りという目標を掲げていたが、結局成し遂げることは出来なかった。「今日の結果は4年間の甘さだと思います。長野では競争がある分、自分も強くなれると思う。スタートダッシュで負けないように次の日からいい準備をしていきたいです」。善戦ではいけない。これからはすべての勝負で勝ちにこだわって行く。

(取材・文 児玉幸洋)

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