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冷静にDFの股間を射抜く左足シュート。1年生MF松木、青森山田をファイナル勝利へ導く決勝ゴール!

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後半17分、青森山田高の1年生MF松木玖生が左足で決勝ゴール

[12.15 プレミアリーグファイナル 青森山田高 3-2名古屋U-18 埼玉]

 1年生レフティーが大舞台で輝きを放った。青森山田高は同点に追いつかれた直後の後半17分、MF古宿理久(3年)が左サイドからPAへロングボールを蹴り込む。こぼれ球を狙っていたU-16日本代表MF松木玖生(1年)が勢いを持って中央へ持ち込むと、切り返しから左足シュート。DFの股間を抜けたボールはゴール右隅に吸い込まれた。

 松木は「最初右足で打とうとしたんですけれども、(利き足の)左足よりかは質が落ちるので、切り返して股を狙いました」。ゴールを確認すると、背番号7は両手を広げたままピッチサイドのチームメートの下へ。先輩たちから手荒い祝福を受けていた。

 松木は前半、左クロスからのヘディングシュートに加え、左CKから左足シュートを放っている。いずれも決定的なチャンス。特に2-0の前半36分に放った左足シュートは普段どおりに落ち着いて打てば、入っていただろうシュートだった。

 それだけに、黒田剛監督はハーフタイムに松木に対して冷静にシュートを打つことを求めたのだという。松木は「個人的には『もっと冷静になれ』と言われて、『後半もずっと冷静にしろ、冷静にしろ、と自分の心の中でずっと思ってプレーしろ』と言われていた」と明かす。1年生らしからぬ大胆さも魅力のMFだが、このゴールシーンではがむしゃらにゴールを狙いに行くのではなく、冷静に相手DFの動きを見極めて得点。指揮官の助言を見事な決勝点に繋げた。

 入学前のフェスティバルから名門・青森山田の先発を堂々と務めてきたスーパールーキー。プレミアリーグEAST第2節で初ゴールを決めるなど青森山田のスタートダッシュに貢献してきたが、夏過ぎは結果の出ないチームの中で悩みもあったという。だが、地道に肉体強化してきた成果などを発揮。決勝点を決めた後もサイドでの強度ある守備で奮戦するなど、フル出場して勝利に優勝した。

「(壁を感じた感覚が)正直、ありました。でも、自分自身で改善することができたと思います。プレミア勝てない時期とか、自分がチームに何も貢献できていないと思っていたけれど、そこから進化したのではないかと思います」

 この日の決勝点について、「凄く自信になりましたし、もっと前で点を獲ってやろうと。ヒデさん(エースMF武田英寿)だけじゃなくて、シャドーの一角としてゴールが獲り続けられるようにという自信になりました」。今後は課題という冷静さを改善すること。そして、全国大会では自信を持ってゴールを目指し、再び青森山田に歓喜をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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