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[MOM3089]横浜FMユースMF吉尾虹樹(3年)_抜群のセンスと“職人芸”。勝利に欠かせなかった主将の攻守

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横浜F・マリノスユースを牽引したMF吉尾虹樹主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 プレミアPO2回戦 横浜FMユース 1-0 札幌U-18 広島一球]

「普段はおとなしい選手ですが、プレーで統率心を体現できる選手」と横浜F・マリノスユースの筒井紀章監督が厚い信頼を寄せるのが、主将を務めるボランチのMF吉尾虹樹(3年)だ。兄のMF吉尾海夏(現仙台)同様にパスセンスに長けた司令塔で、2年生の頃から強豪のスタメンに君臨してきた。ただ、昨年の締めくくりとなったプレーオフの2回戦では先制しながら、尚志高に逆転負け。迎えた今回は「昨年、かなり辛い想いをしたので同じことは繰り返したくないと意識してきた」という。

 札幌U-18(北海道1)と対峙したこの日も、立ち上がりからダブルボランチを組んだMF植田啓太(2年)と共にロスなくサイドにボールを入れて、MF松田詠太郎(3年)とFW津久井匠海(2年)の突破を引き出した。

「自分たちは速攻が得意で遅攻になると上手くいかないのが課題だった。でも、1回戦(帝京長岡高戦)を経験し、引いてくる相手に慣れたので、焦らずボールを回せた。近くの味方を使いながら簡単に失わないよう意識していた」。ゴールとはならなかったが、前半39分には相手DFの背後を抜け出したFWブラウンノア賢信(3年)にピンポイントのパスを通すなど、機を見て繰り出すスルーパスも絶品だった。

 攻撃センスの高さを感じさせるプレーだけでなく、守備で気の利いたプレーができるのも彼の特徴だ。危ない場面にスッと顔を出し、上手く身体を入れて相手ボールを自らのボールに変える。ほとんどの場面で前向きで奪えているため、素早く2次攻撃を繰り出す回数も多かった。

 “職人芸”とも言えるプレーについて、吉尾はこう明かす。「反射的に身体が動く。身体を入れてマイボールにしたり、セカンドボールは意識している。簡単に相手ボールにせず、いかに入れ替わって前向き奪い、また仕掛けられるかが大事だと思っている」。また、1点リードで試合を折り返すシチュエーションは昨年と同じだったため、同じ過ちを繰り返さないよう後半は気を引き締める声も絶やさなかった。目に見える結果を残した訳ではないが、この日見せた彼のプレーは勝利に欠かせなかった。

 これまではキャプテンを任される機会がなく、チームを引っ張る仕事はこなしていなかったが、この一年主将の大役を任されたことで、「リーダーシップを取ることが凄い大事だと思った。キャプテンがしっかりしないとチームがまとまらない。一皮剥けられたかは分からないけど、声を出したり周りを意識できるようになった」。一方、日本クラブユース選手権U-18やJユースカップでタイトルを掴めず責任を感じていたため、試合後は「今年は何も残せていなかったので、最後にこういう形で後輩に置き土産を残すことができ、ホッとしています」と安どの表情を浮かべた。

 卒業後は、関東の強豪大学に進学する予定で、ユースからトップチームへと昇格した兄とは違い、一旦トリコロールのユニフォームとは別れを告げる。「マリノスで身につけた自分で考えてサッカーをすることを忘れずに大学でも頑張りたい。近くに兄という良い目標があるので、超えられるように頑張りたい」と次のステージでの活躍を誓った。

(取材・文 森田将義)
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