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[MOM671]明治大MF中村帆高(4年)_「時が止まった」…“ゾーン”に入った男が価値ある決勝弾

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決勝点を奪った明治大MF中村帆高

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]

[12.16 インカレ準々決勝 明治大1-0筑波大 味フィ西]

 やけにボールがゆっくりと自身へと向かってくる。周囲の状況を確認できたし、GKの位置もしっかりと見えた。明治大MF中村帆高(4年=日大藤沢高)がヘディングで合わせたボールは、ループ気味にゴールマウスへと向かった――。

 明治大は序盤から完全に主導権を握った。ゴールだけが生まれなかったが、チームに焦りはない。「今年のチームは点が入らないからといって焦ることはない。相手がどこであろうと、最初に失点しても、取り返せばいいというメンタリティがある」。総理大臣杯、関東リーグを制して自信を手にするチームは、ピッチ上で自分たちがすべき仕事をこなし続けた。

 すると、試合終盤の後半39分、中村が試合を動かす貴重な得点を生み出す。左サイドからMF中村健人(4年=東福岡高)が蹴り込んだクロスはファーサイドの中村の元へ。ここで、いつもと違う感覚、“ゾーン”に入ったような感覚に陥ったという。「何か、めっちゃ時が止まって、コースが見えた。ボールがめっちゃ、ゆっくり来た」。あとはゴールに向かうコースにボールを乗せるだけ。ヘディングで合わせたボールは、誰にも触れられることはなく、ゴールマウスへと収まった。

「左サイドからクロスを上げてくれると信じていた。森下(龍矢)が突破したときや、健人が入ってからは自分も一発に賭けようと狙いを定めていた。あれは健人のボールがほとんどだと思うけど、良いタイミングで入っていけたと思う」

 この日は右SBの位置でスタートし、後半11分のシステム変更を機に右サイドハーフに入った。サイドの選手だが、「常日頃から自分がチームを勝たせたい思いが強い」との意欲を持っている。そして、奪った勝負を決める一撃。ゴールが決まったことを確認した中村は雄たけびを上げる。「あんなに喜ぶと思っていなかった。あんなに喜んだことはない。今のところ生涯最高のゴールです」と歓喜を爆発させた。

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(取材・文 折戸岳彦)
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