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「駿汰につなげ」「駿汰ともっと一緒にやりたかった」大体大は田中の“合流”叶わず

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ベスト8で敗退となった大阪体育大

[12.16 インカレ準々決勝 中央大6-1大阪体育大 AGF]

「何が何でも駿汰につなげ 何が何でも駿汰につなげ」――。スタンドの応援団がこの試合で取り入れたというチャントがAGFフィールドに響いた。しかし、E-1選手権が開催されている韓国に吉報は届けられなかった。

 大阪体育大はここで勝って仲間を迎え、頂点に向かうシナリオだった。2年連続の関西制覇に大きく貢献し、リーグMVPに輝いた札幌内定MF田中駿汰は日の丸を背負い、E-1選手権を戦っている。帰国当日の19日に控える準決勝からインカレに出場できるはずだったが、“合流”は叶わず、敗退となった。

 前半の2失点は重かったが、反撃に出た後半立ち上がりは背後のスペースを狙って連続でチャンスをつくった。FW林大地(4年=履正社高/鳥栖内定)が鋭いターンで相手DFをかわすと、スピードに乗って突破し、決定的なシュート。後半13分にもMF西田恵(4年=関大北陽高/金沢内定)がPA内右からシュートを放ったが、いずれも相手の好守に阻まれた。

 次の一点を争う中、後半23分に再びセットプレーから3点目を献上。システムを変更して攻撃に比重を置いたが、前がかりになった裏のスペースを使われて失点を重ねた。終わってみれば5点差がついたが、勝つために、点を取るために前に出た結果だった。松尾元太監督は「駿汰の想いを果たしてあげられなかった。やりきれないです」と声を落とした。

 ツエーゲン金沢加入が内定している西田は「駿汰は『頼むぞ』とか、そういう言葉をかけるタイプじゃないけど、気持ちは伝わっていた」と言葉に悔しさをにじませた。

「あいつがいないから負けたと言われるのも嫌だったし、駿汰ともっと一緒にやりたかった。負けてしまったのは申し訳ないし、悔しい」と唇を噛んだ西田。A代表での活躍を願いつつ、「体大で最後に一緒にできなかった分、一緒にどこかでまた対戦できたら」と次のステージでの再会を目標に掲げた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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