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G大阪内定の関学大MF山本悠樹、4年間夢見た“日本一”まであと2勝「苦しい中で結果を残すのは自分」

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MF山本悠樹(4年=草津東高/G大阪内定)

[12.16 インカレ準々決勝 関西学院大1-0(延長)立正大 川口]

 関西学院大立正大との延長戦を制し、インカレベスト4に進出。それは関西学生選手権、総理大臣杯、関西学生リーグ、インカレの4冠を果たした2015年度大会以来のことになる。MF山本悠樹(4年=草津東高/G大阪内定)はその翌年に入学。1年次は8強、2年次は出場なし、3年次も8強と準々決勝の壁を乗り越えられずに迎えた最後のインカレで、ようやく4強にたどり着いた。

 今季リーグ戦11得点7アシストと素晴らしい数字を残した一方で、中盤で圧倒的な存在感を発揮するというよりは淡々と簡単そうにプレーする印象。山本は常に冷静さを失わず、相手の意表を突くパスで攻撃を組み立てる。この試合でも前線に待ち構える下級生たちに向けて、長短高低さまざまなバリエーションで配球。それだけではなく、0-0で迎えた延長前半終了間際には、GKの好セーブに遭うも鋭いシュートを枠内に飛ばす。直後には右サイドから軽やかなステップで相手選手たちをかわし、PA右に入り込んで決定機をつくった。

 この試合では堅守を誇る立正大相手に“山本悠樹”という存在を知られていることもあり、持ち味を100%発揮はできなかった。「平均点もあげられない。自分の出来に関してはまったく」と評す。「相手の守備をはがしたり、そこから正確なクロスを上げられたリとかできたんですけど、もっと回数は増やせた。簡単なミスとかカウンター食らって危ないシーンをつくってしまったのは反省。この2日間しっかり準備したい」。次戦の“最強”明治大との対戦に気持ちを切り替えていた。

 “日本一”を目指してここまでやってきた。1年次はインカレ8強で終わったものの、得点を挙げるなどの活躍を見せ、スーパールーキーとして活躍。当時の山本は「今はプロを目指すというより、まずは関学で日本一になりたいという考えになっている。その日本一のために結果を残し続けたい」と語っている。しかしそこから3年間で全国のタイトルとは縁遠く。一方でG大阪加入という道をつくり、あとはラストイヤーの最後の舞台で頂点を目指すのみとなっていた。

 この試合のスタメンに4年生は山本を含めて2人で、あとは3年生3人、2年生4人、1年生2人とチームは若い。試合を決したのも途中出場のMF山下諒(2年=G大阪ユース)だった。「若いチームなんですけど、頼もしさは感じます」。だが、頂点を目指す思いは誰よりも強い。「インカレって4年生の思いがすごくある。最後準決勝とか決勝になってきて、苦しい中で誰が結果を残すのかってなったら、やっぱり4年生である自分自身がやらないといけない」。頂点まであと2勝。4年間待ち望んだその景色を見るために、必ずこのチャンスを掴んでみせる。

(取材・文 石川祐介)
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