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桐横大の2年生守護神・GK早坂勇希がチーム救う好セーブ、願いはひとつ「4年生の努力を証明したい」

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桐蔭横浜大GK早坂勇希(2年=川崎F U-18)

[12.19 インカレ準決勝 桐蔭横浜大3-1(延長)中央大 NACK5]

 インカレ初出場で躍進を続ける桐蔭横浜大。3、4年生主体の中でひとり活躍する下級生がGK早坂勇希(2年=川崎F U-18)だ。

 準決勝では守備陣の奮闘もあり、前半は被シュート0本。しかし徐々に中大の攻撃に遭うと、1-0で迎えた後半終了間際に痛恨の失点を食らった。延長前半に途中出場の4年生MF中井朗人(4年=興國高)とFW國場龍之介(4年=神村学園高)が2得点を奪い、再び3-1とリード。すると延長後半6分、中大FW加藤陸次樹(4年=広島ユース/金沢内定)に強烈なシュートを打たれるが、早坂はスーパーセーブでボールをはじいてみせた。

 直後にもピンチを迎えるが、DF浅野嵩人(3年=瀬戸内高)が体を張ってスーパーブロック。桐横大がチーム全体で守り切り、初出場で初の決勝進出を果たした。

 スーパーセーブで相手の勢いを封じた早坂は「あれだけの攻められ方をしていたので、難しい試合でした」と振り返る。後半終了間際の失点に「フィールドの選手が戦ってくれている中で、90分間で試合を終わらせたかったなという思いはある」と悔しさを語りつつも、「あの失点で落ちなかったというか、下を誰も向かずにベンチ含めて全員がいい声かけをしていたので、この勝利に結びついたのかなって思います」とチームの勝利を強調した。

 川崎F U-18時代には2017年度クラブユース選手権4強まで進出し、U-18日本代表候補にも選ばれた。桐横大入学初年度の昨年度は全日本大学サッカー新人戦で優勝を果たし、着実に成長を続ける若き守護神。しかしチームの中ではまだ2年生であり、頼れる上級生への感謝は計り知れない。

「僕は2年生一人しか入っていないですけど、本当に助けられている。ついていっているだけっていうのは正直ありますし、だからこそ日本一という結果を、そういう結果で恩返ししないといけない」

「桐蔭が歴史を変えてきている、桐蔭すげーなって言われますけど、それは4年生があれだけの努力と準備と、あれだけのモチベーションで4年間やってくれているからこそ。4年生のためにも優勝して、4年生の努力を証明したい」

 延長後半の自身のスーパープレーには「それまでにあれだけの走行距離を走ってコースを切っているCBがいる。僕のビッグセーブはみんなのおかげ」とあくまで謙虚。しかし優勝への思いは、たとえ“最強”明治大相手だとしても抑えられない。「決勝に行ったっていう実感はまだないですけど、ここまで来たら気持ちが強いところが勝つ。相手は明治ですが、目の前の相手に勝てばいいだけなので」と力強く意気込んでいる。

(取材・文 石川祐介)
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