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“最強明治”の主将FW佐藤亮「4年間で一番楽しかった」負傷明けインカレ初先発でベストFW賞

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“最強明治”の主将FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)

[12.22 インカレ決勝 明治大3-1(延長)桐蔭横浜大 浦和駒場]

 明治大が大学サッカー選手権(インカレ)を制し、同校史上初めて同一年度大学全タイトル獲得した。チームは年度初めに12月22日のインカレ決勝にピークを持っていこうと目標を掲げ、その過程に総理大臣杯、リーグ戦などの戴冠があった。

 “最強明治”の主将FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)は通過点のタイトルに満足することなく、「インカレを獲ったら初めて喜べると思う」と取材陣に話してきた。延長戦に及んだ痺れる決勝を勝利で飾り、「僕はこの4年間で一番楽しかった試合でした。この試合ができたことは財産です」と胸を張った。

 0-0のまま突入した延長前半2分に桐蔭横浜大主将のDF眞鍋旭輝(4年=大津高/山口内定)に先制ゴールを許したが、すぐさま明治大もPKのチャンスを獲得。佐藤自らが左足でGKの逆を突き、同点PK弾をマーク。その2分後にはDF蓮川壮大(3年=FC東京U-18)が逆転ゴールを奪う痺れる展開となり、選手としての喜びを感じながらプレーした。

「今年のどの試合よりも今日の試合が一番迫力があったし、見ている人も面白かったんじゃないかというのは、やっている僕たちも感じた」。試合中には思わず、マッチアップした眞鍋と「楽しいね」という言葉をかわしたという。

 関東リーグMVPのキャプテンは大会直前に負傷離脱という憂き目にあった。インカレ初戦を翌日に控えた13日の練習で右足首を痛め、離脱を余儀なくされた。2試合はサポート役に回ると、復帰した準決勝・関西学院大戦は途中出場でゴールを挙げた。

「誰が出ても同じサッカーができることを、今大会でも発揮できた。自分が戻るまでチームがつないでくれたのが優勝の要因だと思う」

 決勝の前日練習はサブ組だったが、蓋を開けてみれば今大会初のスタメン起用。「栗田監督にこの采配を的中させてあげたいという気持ちがあった」。120分間の死闘にフル出場してチームを牽引し、口火を切る同点PK弾をマーク。大会ベストFWに輝いた。

 大学4年間の終着点には最高の景色が待っていた。「ロッカールームに帰った瞬間に仲間の顔が見えて、仲間が喜んでる姿を見たときに本当に嬉しかった。この仲間とやれてよかったし、自分がキャプテンをできてよかったと思いました」。大学サッカー史に残る“最強明治”の主将として飾った有終の美。こみ上げてくる感情は涙になって溢れた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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