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「4年生からすべてを教わった」桐蔭横浜大の2年生GK早坂勇希、圧巻の好守連発で大会ベストGKに

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桐蔭横浜大の守護神、GK早坂勇希(2年=川崎F U-18)

[12.22 インカレ決勝 明治大3-1(延長)桐蔭横浜大 浦和駒場]

 延長戦の末に1-3で明治大に敗れた桐蔭横浜大だが、初出場ながら決勝の舞台に立ち、準優勝となった。好セーブ連発で大会ベストGKにも輝いたGK早坂勇希(2年=川崎F U-18)は「4年生から本当にすべてを教わりました」と、その口調ぶりからも大きな成長を見せている。

 今季“最強”と名高い明大相手にした桐横大。猛攻撃に遭うと早坂の存在感がより一層際だった。前半32分には明大MF森下龍矢(4年=磐田U-18/鳥栖内定)に右サイドの突破を許すも、早坂はPA右に向けて勢いよく飛び出し、果敢にシュートコースを防いでみせる。後半3分には、MF安部柊斗(4年=FC東京U-18/FC東京内定)にPA右角から無回転気味の鋭いシュートを打たれるが、早坂は横っ飛びではじき返した。

 安部のシュートから3分後にはMF中村健人(4年=東福岡高/鹿児島内定)に左足ミドルを打たれるも、再び早坂が鋭い反応からスーパーセーブ。同19分の中村のゴール隅を狙ったFKも、またしても早坂が阻んでみせた。

 早坂が最後の砦となってチーム一丸で堅守を固めた結果、明大相手に90分間を無失点で乗り切った。延長戦では3失点を喫したが、その守り切る姿にスタンドからは大きな歓声が飛び交い続けた。準優勝に終わったことには悔しさもにじませつつ、早坂は試合後に「最後勝って終わりたかったっていうのもありますけど、本当にやり切ったというか、全力を出し切った結果なので、本当に胸を張りたいなと思います」と語っている。

 2年生ながらベストGKを受賞。自身の成長にはGK陣の支えがあったことを明かす。「(コーチの三浦)和真さんを始め、(児玉)潤くん、(井上)大地くん、もちろん新人戦で戦ってくれた(北村海)チディだったり、GK陣全員が質の高い練習をしてくれていますし、そこで切磋琢磨できている。評価されたのは非常に嬉しいですし、それだけの練習はしているんだぞっていう自信にもなりました」。成長の手応えを掴んだからこそ、今季の悔しさもあり、そして来年への奮起につながっている。

「これだけ1年間試合に出させてもらって、4年生の思いを引き継がなきゃいけない立場なので、来シーズンはもっと強いチームを作らないといけない。目標はただひとつ。インカレ優勝、日本一を取ることなので。4年生のおかげでここの舞台に立てたっていうことは非常に大きいので、また来シーズン頭から日本一ということを掲げて戦っていきたいです」

 一方で、安武亨監督はその成長に目を細める。4年生が大半を占めるチームの中で唯一の2年生メンバーとしてさまざまなことを吸収した早坂。その結果のベストGK受賞ということに「選手だから悔しくて当たり前ですけど、おれはすっごく嬉しいです」と強調。この1年間で大きな成長を遂げた守護神の、来季からの活躍に期待を込めていた。

(取材・文 石川祐介)
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