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染野不在の尚志で点を獲るのは…インハイ得点王FW山内大空主将「チームを勝たせる1点を獲れるように」

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インターハイ得点王の尚志高FW山内大空がチームを勝たせる1点を奪う

 第98回全国高校サッカー選手権が12月30日に開幕する。前回大会4強、今夏のインターハイでも4強入りしている尚志高(福島)は、20年1月2日の初戦(2回戦)で徳島市立高(徳島)と対戦。鹿島内定のエースFW染野唯月(3年)の負傷欠場が決まっている中、どのような戦いを見せるか注目だ。インターハイ得点王でチームリーダーのFW山内大空主将(3年、インターハイ優秀選手)が、新たに背負うものを増やして臨む選手権への意気込み、得点意欲などについてを語った。

―プレミアリーグが終了し、選手権に向かう。
「この1年間通してプレミアをやってきて、惜しい結果(10位降格)になってしまったんですけれども、この悔しさと経験を活かして、今、『全国制覇』って口だけになってしまっているんですけれども、その全国制覇するための練習をしないといけない。この間のプレミアの降格が決まった試合で自分たちの弱さが分かったと思うので、そこを意識して練習に取り組んでいきたい」

―プレミアリーグでは中位につけてきたが、最後乗り切れなかった。
「勝負強さが足りなかったと思いますね。(第17節の)大宮戦はアウェーということで乗り込んだんですけれども、そこで1年間の課題であるゼロで抑えるということができなかった。そして、(最終節の)レッズ戦は前半に練習通りの試合ができていたんですけれども、後半に失点して崩れてしまったかなと思っているので、そこのこだわり、勝負強さが必要かなと思っています」

―選手権への思いは特別。
「自分は全国制覇するためにこの尚志高校に来ましたし、そのための3年間を自分はやってきたので。1、2年で出ることはなかったんですけれども、この3年になって自分は主将として出るので、自分はチームを勝たせる1点を獲れれば良いかなと思っています」

―得点王となったインターハイは何が良かった?
「1タッチのゴールが多かったと思います。ゴール前で落ち着いてできたというのが多いです」

―染野君がベストでない中、結果を残した大会。
「アイツがいない中で誰が点決めるかとなったら、自分が獲りたいと思っているので。その部分で自分が5得点できたので、自分としても評価は高かったと思います」

―自信にもなった。
「インターハイ終わってからも少しは調子が良かったんですけれども、段々調子が落ちてきて、プレー自体はやることが変わっていないので落ちてきていないんですけれども、一番自分の大事な得点ができていない。(大会までの練習試合などで)決めていきたい」

―染野君がメンバーを外れると聞いた時の心境は?
「チーム的には春先からアイツがいなくても勝てるチームというのをやってきたんで、(今回)アイツがいなくてもチームをまとめないといけない。アイツがいない方が頼らないでチームができるので、特には気持ち的な変化はなかったんですけれども、アイツがいて損なことはないので……。一段と一体感は生まれると思う。でも、アイツから『メンバーに入らない』と聞いた時は、確かにアイツの気持ちも分かりますし、『メンバー入ったら出たくなってしまう』という気持ちも分かりますし、『気持ちの整理がつかない』と言っていたんですよね。だから、それは自分たちがしっかりと結果で応えようかなと」

―いなかったから勝てた、と言えるくらいに。
「そうですね。それが一番ですね」

―結果が出なかったら、彼も責任を感じてしまうかもしれない。背負うものが一個増えた。
「でも、自分たちはいないチームを作ってきたのでやることは変わらないので、一段と声をかけたり、ここ最近練習での学年の差もないですし、チーム的には今、非常に良い状態で練習できているので最後どのくらいまでできるか」

―染野君はチームの雰囲気が変わったと。
「そうですね。吹っ切れたと言うか、逆に。『アイツがいないんだから、もう俺らで全国制覇するしかない』という状態なので、より一層雰囲気は良くなりましたね」

―試合にぶつける。
「自分たちはインターハイの時から『先を見たら負ける』と言われていたので、先は見ないで、全国制覇とはいうんですけれども、目の前の徳島市立をしっかりと倒せるように、ここでしっかりと調整して、やっていきたいと思っています」

―どのようなプレーを。
「自分は今、チームリーダーとしてやっているので、プレーで引っ張っていけるようにしっかりとやっていく。その上で、自分はFWなので、チームを勝たせる1点を獲れるように、泥臭くやっていきたいです」

―出られなかった去年から、今年はピッチでの戦い。
「緊張よりは楽しみが強いので、今すぐやりたいくらいなんですけれども、全国制覇するためにはこの調整が大事になってくると思うので、そこの部分でチームの雰囲気、レベルをどんどん良くするための期間にしたいですね」

―夏冬得点王を獲ったら凄い。
「中学の時の自分はそういう凄いというか、ビッグじゃなかった。(もしも獲れたら)チームメートとか元チームメートに自慢とかできるのが嬉しいので、もっと頑張れるようにしたいです」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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