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一瞬のキレで相手の守備網切り裂く昌平MF大和海里主将「埼玉スタジアムでもう一度……」

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Jクラブも注目した一瞬の速さ、技術が特長の昌平高たMF大和海里主将

 第98回全国高校サッカー選手権が12月30日に開幕する。昌平高は埼玉県予選決勝を4-0で制すなど、全国トップレベルの技術力、得点力に注目の強豪校だ。全国初戦は同じく技術力高い興國高(大阪)との好カード。抜群の切れ味を持つドリブルなどを武器に、Jクラブからも注目されたMF大和海里主将(3年)が選手権への意気込みなどを語った。

―選手権が間もなく開幕する。今の心境は?
「チームの目標であった、選手権という舞台に出場できることを本当に嬉しく思いますし、チームとしても『選手権に絶対に出たい』という思いで1年間取り組んできたので、選手権に出るという資格を獲れたことが一番嬉しいです」

―初戦から注目カード。組み合わせの感想は?
「もちろん、ウチも個人の技術だったり、チームとして戦うところに自信を持ってやっているチームなので、相手の大阪の興國高校さんも凄く個人技だったり、技術に長けているチームですけれども、個人技やチームの技術では『負けたくないな』という思いがあります」

―どのような戦いをしたい?
「今年のチームはあまり春や夏に上手く行かなかったんですけれども、冬へ向けてどんどん成長してきたチームだと思います。守備の面も『昌平はどうなんだ』と言われてきたけれど、選手権は1失点で終えることができた。でも、1失点してしまったことは改善するポイントだと思うので、選手権の本戦では無失点で日本一を獲れるように、頑張りたいです」

―埼玉ではマークされる中でタイトルを獲り切った。
「決勝では4得点という形だった。1得点はオウンゴールだったんですけれども、セットプレーと、崩しからのヘディングと、落としからのシュートと色々なパターンから獲ることができました。全得点、違う選手が獲ったというのが今年の昌平の強さというか、1人がマークされたり、1人が調子良くなくても違う選手が攻撃面でカバーできるというのが今年のチームの強みだと思います」

―関東予選とインハイ予選は早期敗退。勝利に飢えていた?
「リーグ戦を一年間通して戦ってきた中で、リーグ戦は県内負けなしで優勝を決めることができました。もちろん、チームとしても上手く行かない時期とかがあったんですけれども、その中で自分たちが自信を持って取り組んできた結果が今回の選手権の予選で表れたと思うので、本戦でも昌平らしく、自分たちのサッカーで日本一を目指して頑張りたいです」

―昌平らしさ、どこを見て欲しい?
「個人技や技術がウチのチームは持ち味なので、(藤島)監督も『最後は技術だ』と言っていて、どんなに『気持ちで押し込んだ』ってインタビューの人や周りの人から思われても、押し込んだのは『技術』だと思います。ウチは徹底して技術を磨いてきたので、まずはその技術という面でどこにも負けたくないです」

―大和君にとって選手権とは?
「自分は1年生の頃から選手権のメンバーに入れてもらって、去年は県の決勝で負けてしまったので、今年は何としても出たいという思いがありましたし、去年や一昨年の先輩の分の思いも背負って自分がリーダーとなって選手権で勝利に導けたら良いなと思っています」

―リーダーとして心掛けてきたことは?
「本当に今年のチームは個性派がたくさんいる代だと思いますし、上下関係とかもないのでまとめるのは凄く大変なんですけれども、チームとしても雰囲気良くやれていると思いますし、選手権が近づくにつれて良くなっている。そこは心配していなくて、チームとしていかに一体感を持って戦えるかというのが大事になってくると思います」

―そのチームにプレーヤーとして付け加えたいことは?
「自分は武器がドリブルや相手の逆を突くことなので、相手の足が止まった時間帯などで自分のドリブルとかを活かして、チームに得点を与えられるようなプレーをしたいなと思っています」

―個人的にはどのような大会にしたい?
「3年間最後の大会ですし、誰もが憧れる舞台だと思うので、もちろん昌平高校としても、一選手としても注目されたいと思います」

―対戦したいチームや選手は?
「自分は静岡学園高校とやりたいと思っていて、選手権(予選)前の遠征で静岡学園と試合をさせてもらう機会があったんですけれども、2-1で負けてしまった。自分のボールロストから失点して負けてしまったので、静岡学園ともう一度やって、自分が今度は相手から点を獲って勝ちたいと思います」

―選手権はどういう大会?
「2年前が自分としてはイメージしやすくて、1年生の頃に参加させてもらった全国大会では、結構ウチが攻めていたと思うんですけれども、神村学園の高橋(大悟)選手に1本のチャンスで決め切られてしまって、ウチは逆に決めきることができずに1-0という形で負けてしまった。1点が凄く重い大会だなと感じましたし、それは自分が知っているからこそチームに還元できる部分だと思うので、そういうところを常にチームには伝えるようにしています」

―1点の重みを知るチームに。
「県予選も非常に厳しいゲームが続いたんですけれども、勝ち切れたという部分がチームとして自信になっていますし、1-0で勝ち切る試合もあったので、そこは粘り強さなどがついてきたかなと思います」

―高橋選手に決められた1点を今回は大和君が決める。
「そういう大会にできたら良いなと思います」

―目標を教えて下さい。
「チームの目標は日本一なので、誰よりも、どこのチームよりも自分が優勝したいという気持ちを持って取り組みたいなと思っていて、今年は令和初ということもあって凄く注目される大会だと思いますし、自分も埼玉スタジアムでもう一度優勝カップを掲げたいという思いがあるので、そこを目指して頑張りたいなと思います」

―個人としてはどこを見て欲しい?
「自分は攻撃が特長なので、どんどん相手の嫌なプレーや『凄いな』と思ってもらえるようなプレーをどんどん出せれば、自分の持ち味が出せているなと思うので、そういうところを意識してやりたいです」

―駒場や埼スタを沸かせるイメージ。
「ウチが一番駒場や埼スタでやらせて頂いていると思うので、そういう部分ではチームとしても、個人としても、『やれるぞ』という自信があるので、しっかりと結果が出せるように、日頃の練習から頑張っていきたいなと思っています」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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