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Jの誘い断り大学進学のMF田中克幸は、帝京長岡のJ内定組以上の成長へ。まずは「選手権で活躍したい」

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帝京長岡高の注目レフティー、MF田中克幸

 今年度の選手権の注目校の一つ、帝京長岡高(新潟)の3年生はMF谷内田哲平(3年、京都内定)、FW晴山岬(3年、町田内定)、DF吉田晴稀(3年、愛媛内定)の3人がJクラブ加入内定を決めた。一方で、昨年度の選手権で活躍してU-17日本代表に選出されたMF田中克幸((3年)はJクラブからの誘いを断り、大学進学を決断。J内定組に負けない実力者である田中が、選手権への思いや将来彼らを逆転することへの意気込みなどを語った。

―選手権に戻ってきた。
「県勝って、またあの舞台に立てるということは大変嬉しく思っています。去年、ああいった形で活躍できたのはチームがあったからなので、今年はチームで活躍できるように、日本一になれるように、自分が一番活躍して貢献できるように、頑張っていきたい。自分の活躍もそうですけれど、チームが一番なので、チームを日本一にできるような存在になりたいと思っています」

―自分はプロからの誘いを断り、チームメートたちがプロ入りする姿を見てどう感じている?
「自分もプロに行けば良かったかなと思ったりします。最近で言うと、また吉田(晴稀)がプロになって、自分も行っていれば4人になったと周りからも言われたりしているんですけれども、自分が決めたことなので。谷内田や晴山、吉田がプロに行ってすぐに試合に出られるかは分からない。4年後に自分がもっと成長して、プロでもすぐに目に見える活躍をして、大学行って正解だったなと思える4年間を過ごしていきたいと思っています」

―大学で化ける。
「一番自分に足りない部分は守備の部分だったり、ハードワークだったり、そういった部分が足りないと思うんですけれども、(進路の)明治大学はそこに長けているというか、1対1の強さで言うと、日本代表で活躍している長友選手やFC東京の室屋選手といった(OBの選手の)対人の強さを見ても凄く鍛えられている。練習参加してみて一番そこは凄かったし、自分は攻撃面で何もできなかったという迫力、魅力も感じて、自分は『ここでやりたいな』と思った。自分はそういったところを成長させて、自分の自信のあるドリブルやシュート、ゴール前でアイディアを出していくところをもっと伸ばし続けて、4年後Jリーグのチームに行って、すぐに試合に出て、J1やその先の海外に行ったり、フル代表に入れたら良いかなと思っています」

―選手権では彼らよりも活躍する。
「晴山は去年チームで一番点を獲っていたりするので、それよりも点を獲ってチームがやっていて楽しくて、周りから見ても面白いなと思われるようなサッカーをして、日本一になりたいと自分は思っている。その中で自分がアイディアを出してサッカーできるかが鍵になってくると思うので、そこで見せられたらいい」

―前回大会の長崎総科大附戦の決勝点は大会のベストゴールの一つ。
「あそこでこぼれて来るのが分かって、ファーストタッチから自分の思うようなところにボールを置けて、2タッチ目で相手を少し外して振りも速くしてボールにミートさせることができた。ああいった形で自分の足にミートすれば、GKは誰であってもシュートは入るのかなと思います」

―岡山から長岡へ行って、集大成の大会。
「徐々に練習であっても、守備でボールを獲る回数が増えてきていて、自分でもちょっと手応えがある。最後の大会で『守備もできるんだぞ』と出しつつ、一番自信のある攻撃面で中学時代よりも、去年の選手権よりもレベルが上っているなとみんなに思われるように、チームが第一でその次に自分を見せられるように頑張りたい」

―3人には負けられない。
「晴山が代表に入っていて一番注目されると思うんですけれども、去年の大会を経て自分も少しずつ注目されるようになって、見てくれる人は見てくれるのかなと思うので、去年の総附戦だったり、そういう結果でまた有名になれるように、あの1プレーでという感じでも良いので、みんなに見てもらえるようなプレーをして、チームを勝たせられればなと思います」

―去年以上にインパクトを残すことは簡単ではないが。
「去年は選手権で代表に呼ばれたようなものなんで、今年もそういった活躍をして代表に呼ばれるチャンスをもう一回作りたい。そして、明治で1年から出れば、代表も無理ではないと思う。そこで年代別でも良いから入り続けるような大学生活を送りたい。そのためには選手権で活躍して、選手権後の年初めの代表に呼ばれるというのは一番目標にしているところなので、選手権で活躍したいと思います」

―今年は主役に。
「プロの練習に行った時、練習後のシュート練習であってもプロ相手のGKでもミートさせればシュートは全然入るし、そういった部分では全然通用するなと思った。スピード感や守備のところは難しかったんですけれども、慣れれば全然問題ないかなと思っているので、大学生でのスピード感とプロのスピード感では違うと思うんですけれども、大学生のスピード感にすぐ慣れて大学生を圧倒できるようなクオリティでやっていきたいです」

―帝京長岡での3年間を振り返ると?
「岡山から来て最初は誰?という感じで試合に関わることもなく、下の方でやっていた。(他選手の怪我で)夏休みからスタメンで試合に出たり、2年生からスタメンで試合に出させてもらったんですけれども、2年生で選手権含めて人生変わったので、最後選手権で日本一になって、最高の3年間であったなという形で終わらせたいです」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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