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角度のない位置から「狙った」ループ! 途中出場DF河原大輔が國學院久我山の7点目

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7点目を決めたDF河原大輔(3年)

[12.30 選手権開幕戦 國學院久我山高 8-0 前原高 駒沢]

 その瞬間、完全にシュートの意識で左足を振り抜いた。國學院久我山高(東京B)の7点目を決めたのはDF河原大輔(3年)。角度がなく、クロスを狙ったようにも見えたが、笑顔を湛えた左サイドバックは「狙っていました。あれはシュートです」と胸を張った。

 6-0で迎えた後半26分、MF戸坂隼人(3年)のパスで左サイドを縦に抜け出した河原はゴールライン際から左足を振り抜く。「GKの位置は確認していました」。角度のない位置から放たれた左足のループシュートは、そのままゴールマウスに吸い込まれた。
 
 利き足ではない左足の得点。最近は練習でも左足クロスに感覚をつかんでいたという。この日は後半17分に途中出場し、守備から試合に入った。「途中から入っても守備は自信を持ってやっている」と河原。清水恭孝監督も交代選手がスムーズに試合に入ったことを喜んでいた。

 今シーズンは総体予選までは先発だったが、全国総体でその座を外れ、悔しさも味わった。「チームに自分が必要とされているのか」と考える時期もあったが、途中出場でも持ち味のアグレッシブな守備で貢献してきた。そんな河原と親しい主将のDF明田洋幸(3年)は「ビデオで見たら、『パスみたいなクロスみたいな雰囲気もあるけど、オレは絶対シュートを打ったから』と言っていたので、調子に乗ってますね」と冗談めかしつつ、親友のゴールをこう喜んだ。

「凄く嬉しいですね。自分は出ていないですけど、仲の良い友達がああいうふうに決めてくれて、ああいう大きな舞台で活躍しているのを自分はベンチで見ていたんですけど、凄く嬉しかったですね」(明田)

 1万3949人が埋めた開幕戦で記録した、今年度の公式戦初ゴールだ。ゴールラッシュの波に乗り、大舞台で沈めた一撃。得点後はチームメイトが次々に駆け寄り、「素直に嬉しかったです」と喜びを噛み締めた。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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