beacon

“兄弟二人三脚”國學院久我山DF山本献「新しい道を」

このエントリーをはてなブックマークに追加

好守をみせたDF山本献(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.30 選手権開幕戦 國學院久我山高 8-0 前原高 駒沢]

 8発大勝で飾った國學院久我山高(東京B)のDF山本献(3年、ささぐ)は、コーチであり兄の(みがく)さんたちの世代超えを誓った。

 開幕戦となった前原高との初戦。開始6分の先制点から8得点を奪って大勝したが、山本献は「点が入り始めてからは集中力が全体的に欠けていた。そこは反省しないといけないと思います」と勝って兜の尾を締める。

 今季はSBを主戦場とする山本献だが、昨年まではトップ下、もしくはウイングといった攻撃的なポジションを務めていた選手だった。チーム事情でSBに転向したが、練習からスピードのあるFW山下貴之(3年)と対峙することで、守備力に磨きをかけてきた。

 この試合でもマッチアップしたFW大城魁人(3年)に突破を許すことはなく、逆に簡単にボールを奪ってみせる場面が何度もあった。「山下くんに対応していくうちにだんだん慣れてきた」。全国レベルでも戸惑いをみせることは一切ない。

 兄の研さんは前回、國學院久我山が選手権に出場した15年度大会のレギュラー左SB。決勝で東福岡に敗れて惜しくも準優勝だったが、久我山サッカー部の最高成績を更新した。

 研コーチは普段からちょっとしたアドバイスを入れてくれることが多いという。この日の試合でもハーフタイムに相手の形の変化に対応しきれていないポイントを指摘されたという。「ピッチではコーチとプレーヤー。兄と言う感覚はない。兄も弟としてじゃなくて、コーチとして注意してくれます」と関係性に感謝する。

 ただし“兄世代超え”は十分に意識する。「自分の道の前にたまたま兄が前にいただけですが、その道が準優勝で止まっているので、自分が新しい道を作っていけれればと思っています」。兄弟二人三脚で、今度こそ頂点を目指す。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

TOP