beacon

岡山U-18から今春転籍…岡山学芸館“谷本ツインズ”が夢の選手権出場「去年見ていてすごいなと」

このエントリーをはてなブックマークに追加

兄のMF谷本壮太朗(右)と弟のDF谷本薫平

 おそらくは2人で一緒に戦う最後の舞台になる。岡山学芸館高(岡山)の双子の兄弟、MF谷本壮太朗(3年)とDF谷本薫平(3年)が31日に高校選手権の初戦となる静岡学園高戦を迎える。

 今春、ファジアーノ岡山U-18から転籍してきた。もともと、岡山学芸館に通学していた2人。きっかけは弟の薫平。怪我の影響もあって壁を感じていたことから、葛藤が生まれるようになっていたという。

 そこに来て昨年度の高校選手権で3回戦まで勝ち上がる同級生たちの姿。「このままじゃ終われない。いろいろ悩んだんですけど、サッカー部に入ってもう一回頑張りたい」。決意した薫平は、選手権を戦い終えた新チームに合流した。

 兄の壮太朗も悩んでいたという。もともと選手権には出てみたいという漠然とした思いがあったというが、岡山U-18に進んだ段階で現実的ではなくなった。ただ弟がスムーズに転籍を果たしたことで、「僕も行けるかな」と思いを再燃させた。

 岡山U-18には反対にあったが、「去年(の選手権を)見ていて、やっぱりすごいなと思った」。最終的には意思を固め、両親も後押ししてくれたことから、兄弟2人で高校サッカーの晴れ舞台を目指すことを決めた。そして新人戦、インターハイ予選はいずれも準決勝で敗れたが、最後の選手権は出場切符を手にしてみせた。

 兄の壮太朗は現在、左肩鎖骨を骨折している。11月23日のプリンスリーグ中国の作陽高戦で負傷。リーグを制してプレミアリーグ参入戦に勝ち上がっていたが、試合出場は叶わなかった。

 ただ約1か月、試合出場から遠ざかっているが、31日の試合は出場を志願する。「ぶっつけになりますが頑張ります。初戦にすべてをぶつけたいと思います」。

 卒業後は別々の大学に進学する予定でいる。それもあってピッチに立ちたい思いを強める。弟の薫平も壮太朗の想いを共有している。「ずっと一緒にやってきて、たぶんこの大会が最後になる。だから一緒に出られたらいいなと思います」。

 初戦の静岡学園高戦は31日、駒沢陸上競技場で12時5分キックオフ。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

TOP