beacon

[MOM3111]丸岡DF河上英瑞(2年)_予選未出場&全国デビューで衝撃2G1A…“隠し球”の中にさらなる“隠し球”

このエントリーをはてなブックマークに追加

丸岡DF河上英瑞(2年)が2ゴール1アシストの大活躍(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権1回戦 丸岡3-2長崎総科大附 駒沢]

 鮮烈な全国デビューとなった。丸岡高(福井)のDF河上英瑞(2年)は長崎総合科学大附高(長崎)を相手に2ゴール1アシストと大暴れ。自身のミスで先制点を献上していたが、それを帳消しにする圧巻のパフォーマンスでチームを2回戦に導いた。

 福井県予選では出場がなく、全国の舞台も今大会が初めてだった河上。前回大会はスタンドから見ていた憧れのピッチに先発のセンターバックとして立ったが、開始早々に失態を演じてしまう。前半8分に相手のロングボールを処理し損ね、FW千葉翼(3年)に奪われて先制ゴールを許した。

 それでも前半36分に左サイドのMF川中浩夢(2年)のFKに頭で合わせ、自ら同点ゴールを奪取。その後、相手に再びリードされたものの、前線にポジション変更して迎えた後半36分には、冷静なラストパスでFW田海寧生(3年)の同点弾を導く。さらに同39分、DF田島優也(3年)が左サイドからゴール前にボールを入れると、「GKが弾くかなと考えていて、そしたら目の前にこぼれてきた」と待ち構えていた河上が右足でねじ込み、土壇場で3-2と試合をひっくり返した。

 ゴール前でFW顔負けの勝負強さを見せたが、それもそのはず。河上は1年生までFWとしてプレーし、本格的にDFへ転向したのは2年生となってからだった。最初は戸惑いもあったという。しかし「トップチームで出られるなら」と意思を固め、コンバートを受け入れた。

 また、新たなポジションに挑戦する中で、同時に自身が上がって1トップから2トップになる形もチームとして用意。「県予選は自分は出てなかったんですけど、予選が終わった後の練習試合とかでは出させてもらっていました。そこでたまに2トップでこういう風にやるっていう約束は決めて練習していました」。

 準備していたパワープレーの狙いを形にした河上は「守備の選手なので、ノーミスでゼロで終わりたかったのは本音」と反省を口にしつつ、「攻撃では元FWということで、それなりの結果を残して良かった」と安堵。1月2日に行われる2回戦の静岡学園高(静岡)戦に向け、「今日出た課題を明日の練習で修正して、万全の態勢でチャレンジャーの気持ちで挑めていけたらなと思います」と勝利への意欲を語った。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2019

TOP