beacon

風に悩まされた帝京大可児「準備はしていたが、結果できずに投げられ放題」

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半にチャンスを導いていた帝京大可児高MF横井内壮(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京大可児高0-1大手前高松高 オリプリ]

 前半は横から吹きつけてきていたはずの強風は、後半に入ると激しい向かい風となって立ちはだかった。岐阜県予選を35得点0失点という圧倒的な成績で勝ち抜き、2年ぶり6回目の全国大会に挑んだ帝京大可児高だったが、天にも見放される形で大会を去ることとなった。

 細かいパス回しでボールを保持する伝統のスタイルに加え、DF神戸政宗(3年)のロングスローという力技も持ち合わせる今年度の帝京大可児。しかし、大会初戦のゼットエーオリプリスタジアムは2試合目に入ると強風が吹き荒れ、ボールをセットするのにも難しいコンディションとなり、自然と相手のミスを誘発するハイボールに委ねる選択が続いてしまった。

「ウチの戦い方はボールを大事にしながら飛び道具のロングスローをオプションで1年間戦ってきたけど、ロングスローの攻撃が中心になってしまい、単調な攻めになってしまった」。前半をそう分析していたという仲井正剛監督は「下のボールで動かしながらロングスローもたまにやるほうが良かった。初戦で固くなっているところでリスクを犯したくない気持ちになってしまった」と振り返った。

 後半は修正に取り組もうとしたが、今度は風向きが大きく変わって向かい風となった。その時間帯に相手の風に乗せた50m級のロングスローがゴール前を襲い、運命を分ける先制点を献上。指揮官は「1点取られてからは縦に速くなってしまったり、相手も少し余裕があるから焦りなく守れるので、ちょっとずらせなかったり、シュートブロックされたりというのがあった」と失点までの試合運びに課題を見出した。

 実は前回出場した2017年度大会でも強風の影響が色濃く出た3回戦で上田西高に0-5で大敗。「風という部分の準備は2年前もやられた部分があったけど、クリアが前の飛ばないところで作り直して…というところまで準備はしていたが、結果できずに(ロングスローを)投げられ放題になってしまった」。風向きの面ではたしかに不運もあったが、予測はできていただけに対応の拙さを悔やむしかなかった。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

TOP