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[J内定高校生の声_20]鹿島加入の“半端ない”FW染野唯月「チームを勝たせるFWになりたい」

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鹿島アントラーズ内定の尚志高FW染野唯月

 ゲキサカでは2020年にプロ入りする高校生選手たちをインタビュー。第20回は鹿島アントラーズ内定の尚志高FW染野唯月(3年)だ。

 1年前の全国高校サッカー選手権で大会得点王を獲得。特に準決勝・青森山田高戦でのハットトリックで日本中にその名を知らしめたストライカーだ。“半端ない”“大迫2世”等高い評価を得て迎えた19年度は日本高校選抜、U-18日本代表にも選出。抜群の得点感覚に加え、パス能力も非常に高い染野が鹿島入りを決めた理由や、プロ入り後の意気込み、欠場する選手権、仲間へのエールなどを語った。

―鹿島入りの感想を教えて下さい。
「自分が今までジュニア、ジュニアユースにいたチームなので、素直に帰れて嬉しいという気持ちがあります」

―オファーを受けた時の心境。
「自分がこんなに強いアントラーズからオファーをもらえることなんて思ってもいなかったことなので、ビックリしました」

―多くのクラブから誘いがあった中で、鹿島入りした決め手は?
「色々なチームの練習参加をした時に、環境を含め、練習の質もどこよりも高いなというのは感じていて、その上で自分がいたチームというのがありましたし、帰りたいという気持ちやレベルアップしたいという気持ちもあったので決めました」

―帰るという気持ちと挑戦するという気持ち。
「アントラーズというチームは層の厚さも含めてやっぱり強いと思う。そこでチャレンジして(ポジションを)勝ち取っていけば自ずと日本代表に近づいていけると思うので、そういう先を見据えたところも考えていたし、決めた理由もそこにあります」

―見ていた立場から加入する立場へ。
「最初は憧れという視線で見ていたんですけれども、入るとなると自分はここでやるという実感がありますし、これからチームメートなんですけれどもライバルとここでやって行くという覚悟に変わっていった」

―練習参加した時の印象を。
「楽しいですし、練習の強度もあるし、切磋琢磨して全員が優勝を狙いながら練習に取り組んでいるところを感じられたのは凄く良かったです。アントラーズならではの練習などを味わえたことは嬉しかった」

―雰囲気が違う。
「やっぱりアントラーズは優勝を狙い続けて優勝争いを常にやっているチームだと思うので、そういうところは日々の練習でも自分たちは優勝を狙うという環境の中に置かれているので、そこの雰囲気は他のチームとちょっと違ったと思います」

―印象的だった選手は?
「伊藤翔選手は同じFWとして練習参加した時に声もかけてくれて、プロでの歩み方を教えてもらえたので、凄く勉強になりました」

―自分に期待されている部分。
「FWとして点を決めるというところは一番期待されているところですし、自分の武器はシュートであったり、パスであったりというところ。それは自分が自信を持っているところですし、期待してもらっていいかなと思います」

―有能なパサーでもある。他のFWと違う才能がある。
「元々自分はボランチをやっていて、視野の広さを持っていると思う。パスや状況判断というところを自分の中では持っているので、それは他の選手と違うのかなと思います」

―スルーパスでも沸かすことができる。
「自分はキックが得意なのでシュートもそうですし、パスもそうですし、色々なところからチャンスを作れる選手にならなくちゃいけないし、これからなっていきたいと思っています」

―ここからが勝負。どんなFWに?
「自分の中では自分だけの理想というのがあって、何でもできるというのは最終的には必要だと思うんですけれども、勝たせられるFWはなかなかいないと思うので、大事なところで点を決めてチームを勝たせるFWになりたいですし、メンタルの部分であったり、色々な部分で一流になれたらいい」

―課題は?
「守備の部分と言いたいところなんですけれども、(それよりも)怪我のところ、身体のケアというところは今年プレミアリーグで1年間戦って試合に出場できなかった時間が他の選手よりも多かった。身体のコンディションというところはプロに行っても一年間通して色々な大会があるので、そういうところはまだまだ課題だったのかなと思います」

―プロでも「半端ない」と言われたい?
「自分の中では言われたいというのはあるんですけれども、プロの世界に行ったらそう上手く行かないと思うので、コツコツと自分の中で一つずつでも成長していきながら最終的にはそう言われる選手になりたい」

―プロ1年目の目標。
「まずはメンバーに入るというのも大事なんですけれども、チームに溶け込んでしっかりと自分の良いところをアピールしながら、Jリーグ、ACLもそうですけれども、途中からでも試合に関われるようにしていきたいと思っています」

―尚志で学んだ3年間について。
「サッカーのことも多かったんですけれども、ピッチ外のことも学ぶことは多くて、『学校の人だったり周りから感謝されるような選手になれ』と言われていて、そういうところはプロに行ってもサポーターがいてというところは一緒だと思う。『周りから応援される選手になりたい』と自分で思っているし、そういうところは学んできたことかなと思います」

―仲間の存在。
「自分が代表とかでいなくても、帰ってきた時に『こういうことがあったんだよ』というチーム状況などを伝えてくれたり、戦術の部分を伝えてくれたり、気にかけてくれるというのは自分にとってもありがたいことだと思っているので、仲間がいてサッカーができるという大切さというのは高校に入って改めて実感しています」

―常に笑っていたり、フザケたりしている印象がある。
「確かにそうなのかなと思います」

―素が出てしまう?
「素が出てしまう感じです」

―自分の性格を分析すると?
「色々な人と仲良くして、自分は笑うのが好きなので、楽しいことをするのが好きなので、サッカーに置き換えた時も『楽しくサッカーしたい』というのが一番。楽しくサッカーしつつ、自分の中では負けず嫌いのところ、負けたくないという気持ちがあるのかなと思います」

―ちょっかいをかけるのはムード作り?
「自分はちょっかいをかけたり、かけられたり半々ですね」

―居心地が良い。
「それが自分の中のベストです」

―サッカー以外ではどのように過ごしている?
「自分は出かけるよりは寝たり。オフの日は一回サッカーを忘れたいという人なので、なるべくサッカーを考えずどこかに出かけたりしますね」

―どこへ。
「友達とご飯に行ったりくらいですね」

―趣味は?
「最近は結構、漫画とかアニメとか見ますね」

―今、推しの漫画は?
「みんな知っていると思うんですけれども、『鬼滅の刃』(集英社)という漫画が、アニメもあるので」

―どういうところがいい?
「感動系が好きなんで、戦いもあるんですけれどもその中にも感動があるというところ」

―試合前とか必ず聞く音楽は?
「洋楽は聞きますね。これ聞かないと、というのはないんですけれども洋楽は試合前に聞いています」

―音楽を聞いてテンションを上げる。
「テンポの速い洋楽が結構あるんで、試合前とかはテンション上げるために聞いています」

―例えば?
「ジャスティン・ビーバーとか聞きますね」

―ゴールラッシュはそこから生まれている。
「そうですね」

―選手権予選を振り返ると?
「自分が試合に出れる時間は少なかったんですけれども、その中でチームを勝たせたいという気持ちがありました。決勝含めて自分が点を獲って勝たせられたことは素直に嬉しいですけれども、県大会は本当に難しい戦いだったので、そこをチーム全体で勝てたことは大きな成長になったと思っています」

―全国大会は自分の決断で登録を外れる。その理由は?
「今後を考えた時にここで無理をしてしまったら影響してしまうのかなと思ったので、メンバーを外れるか外れないかと言った時に自分がいることでチームがプラスになるというのはスタッフからも言われていたんですけれども、何か自分の心の中に(他の)3年生にちょっとでも経験をさせてあげたいというのがあったので、決断してメンバーを外れました」

―一緒にやってきた仲間のために身を引いた。
「そうですね」

―それが自分やチームのために最優先であると。
「悔いはないですし、怪我をして出れないというのは悔しいですけれども、それ以上に今後のためというのがあったので、自分の決断に悔いはないです」

―見る側に回る選手権は想像できないと思うが?
「想像はしたくでもできないというのがちょっとあるんですけれども、サポートできる部分は多くあるので、自分はベンチ外として応援で助けられれば良いかなと思います」

―尚志高校の全国制覇のためにできること。
「やっぱり去年経験したことを伝えられるのは自分だけかなと思っているので、雰囲気だったり、こういう時にこういうことをしたら良いんじゃないかということを伝えられると思う。練習を見ることしかできないんですけれども、練習からそういうところを考えて先を見据えて言うようにしています」

―診断で疲労骨折と聞いた時の心境は。
「正直、無理してやっていたのは事実なので、『やっぱり、そうだよな』と思いました」

―ショックだったと思うが。
「揺らいだというか、そういうところはあったんですけれども、感情的にはなりませんでした」

―選手権を戦う仲間たちへのエールを。
「まずは徳島市立との初戦で、何が何でも勝って、初戦が一番難しいので、そういうところへの難しさは伝えていきたいですし、そこでどう波に乗れるかというのが大事だと思うので、勝ってもらいたいですし、自分たちが目標としている全国制覇を勝ち取ってもらえれば良い」

―山内大空選手や阿部要門選手、FWの選手に期待すること。
「FWが点を獲ることによって周りも励みになりますし、それをすれば自分も気持ち的に波に乗れるというのは去年経験しているので分かっている。自分が点を獲るんだという強い気持ちでやって欲しい」

―鹿島での目標、その先の目標。
「まずはアントラーズでスタメンを勝ち取って、試合に出続けるというのは自分の中での入ってからの目標なので、それは達成したいかなと思っています。今後、その先に関して自分はヨーロッパでサッカーをしたいとずっと思っていたので、ヨーロッパへ行って活躍してワールドカップに出るというのが最終的な目標です」

―鹿島サポーターに見て欲しいところ。
「ファンの人達には自分が点を獲ってチームの勝利に貢献するということを期待してくれていると思っているので、そういうところで期待通りに自分が応えられれば良いと思っています」

―鹿島サポーターへ向けてメッセージを。
「尚志高校から加入する染野唯月です。来年(2020年)からはどこにもいない強いFWになるので、応援宜しくお願いします!」

(取材・文 吉田太郎)
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