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今夏加入で“初タイトル”の神戸GK飯倉「優勝とか考えている余裕はなかった」

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天皇杯制覇に貢献したヴィッセル神戸GK飯倉大樹

[1.1 天皇杯決勝 神戸2-0鹿島 国立]

 ヴィッセル神戸にとって初タイトルとなった天皇杯優勝は、GK飯倉大樹にとっても自身初のタイトルとなった。それでも元日決勝の一戦を振り返った守護神は「そんなに自分に余裕がなかった」と苦笑い気味に振り返った。

 長年にわたって横浜FMの正守護神を担ってきた飯倉だが、タイトルとは縁がなかった。在籍中に唯一獲得したのは2013年の天皇杯のみ。そのシーズンはGK榎本哲也が主力を務めており、ベンチにもGK六反勇治が入っていたため、決勝戦のメンバーにも入っていなかった。

 今季は序盤こそ横浜FMで出場を重ねていたものの、第5節からはGK朴一圭にレギュラーを奪われた。今夏から出場機会を求めて今夏から神戸に活躍の場を移したところで、古巣の横浜FMが15年ぶりのタイトルを獲得。またしても優勝を体験できずにいたが、最後の最後で悲願の初戴冠に至った。

 それでも飯倉は「後半の45分間がハードすぎて、優勝とか考えている余裕はなかった」とあっさり振り返った。この日の神戸は前半に2点を奪ったものの、後半は鹿島がシステムを変えた影響もあって防戦一方の展開。圧力のある攻撃をまともに受ける形となり、ゴールを守る飯倉は気が気じゃなかったようだ。

「これがタイトルを取ることなのかもしれない。すげえうれしいけど、終わってみたら泣かなかったし。『強え鹿島、やべえ点取られたら持っていかれるぞ』とばかり考えていた。考えている暇はなかったし、終わった後に何かをした記憶がない」。らしい表現で初優勝の味を噛み締めた。

(取材・文 竹内達也)
●第99回天皇杯特設ページ

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