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後半に誤算も…“美学”貫いた國學院久我山、PK戦で専修大北上を下して昌平の待つ3回戦へ

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PK戦を制した國學院久我山高(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 専修大北上高0-0(PK5-6)國學院久我山高 NACK]

 第98回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に行われた。NACK5スタジアム大宮では専修大北上高(岩手)と國學院久我山高(東京B)が対戦し、0-0で突入したPK戦の末、國學院久我山がPK6-5で勝利を収めた。3回戦は3日に開催され、浦和駒場スタジアムで昌平高(埼玉)と顔を合わせる。

 立ち上がりはボールを握る國學院久我山が攻勢をかけるが、FW山本航生(3年)がGKと1対1の決定機を逃すなど、チャンスを生かせず。徐々に専修大北上が押し返す展開となる。特に左サイドハーフに入ったMF菊地竜空(3年)が個人技が光り、巧みなドリブルからパンチ力のあるシュートでゴールを強襲。しかし、GK村上健(2年)の好セーブもあり、スコアレスで前半を終えた。

 後半序盤も國學院久我山がボールを支配して相手の守備を崩しにかかる中、後半11分に隙を突いて裏へ抜け出そうとした専修大北上FW阿部耀仁(2年)をDF加納直樹(3年)が倒し、2枚目のイエローカードで退場となってしまう。國學院久我山は同15分、ハーフタイム明けからDF保野友裕(3年)に代わって投入されていたDF茅野恵大(3年)を下げ、センターバックとしてDF河原大輔(3年)をピッチに送り出した。

 数的優位で勢いづいた専修大北上は、鋭い動き出しを見せるFW菅原新(3年)やFW千田舜(3年)にボールが入るようになり、相手の背後を突いた攻撃でゴールに迫る。一方、10人となった國學院久我山だが、「防戦一方でPKで勝ち上がるよりも、1点なんとか取って勝ち上がりたかった」(清水恭孝監督)と、伝統のパス回しを軸とした“美しく勝つ”サッカーはブレない。

 後半32分、國學院久我山のFW戸坂隼人(3年)が左足で正確なロングパスを送ると、受けたFW山下貴之(3年)がPA内左から左足でシュート。しかし、枠に飛ばせない。その後も攻撃の姿勢を貫き、終盤にはMF大窟陽平(2年)や戸坂がチャンスを迎えるなど、最後まで得点の匂いを感じさせたが、互いにゴールを奪えずに0-0で後半終了のホイッスルが吹かれた。

 PK戦は5人目を終えて4-4と決着がつかず、5-5で迎えた7人目で先攻の専修大北上DF那須永翔(3年)が失敗する。勝利が懸かる國學院久我山の7人目キッカーを任されたのはGK村上。左足でゴール左を狙ったシュートはGK高橋諒朋(3年)に触られながらもネットを揺らし、國學院久我山がPK6-5で激闘を制した。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2019

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