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[MOM3118]富山一DF丸山以祐(3年)_“総体準Vの夏”以来のヘディング弾

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富山一高DF丸山以祐(3年)が決勝ヘディング弾

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

 富山一高の大塚一朗監督が「先手を取って、0点に抑えてっていうのがうちのパターン」と語っていた通りの“ウノゼロ”の勝利となった。決勝点を挙げたのはDF丸山以祐(3年)。前半16分に左CKのボールを頭で叩き込み、神村学園高のゴールに突き刺した。

 正確には「頭に当たって、肩に当たりました」と明かす丸山。ヘディングシュートは得意と言えるものではないと控えめに語る。前半16分、MF高木俊希(3年)が左CKを蹴り上げると、PA内の丸山は冷静に相手選手のチェックを観察。そして隙を見つけると「頭で行こうと決めていました」とニアサイドに飛び込み、ヘディングシュートをねじ込んだ。

 狙い通りの先制点は「チームがいい方向に流れを持っていけるので、この試合を通してよかった」と自身でも評価。富山一はその後持ち味の堅さを発揮し、丸山も5バックの一角として守備力を見せつける。前半27分にはフィジカルを生かし、神村学園FW寺田聡(2年)を体で阻んでピンチを切り抜けた。その後も最終ラインを崩すことなく、相手の縦パスをカットするなど精力的に動き続け、80分間を耐え抜いた。

 完封勝利は「みんなのおかげ」。よって自分の出来に関しては完封よりも得点について挙げる。「自分が点を決めて試合を決められたので、そっちのほうがよかった」と笑みをこぼした。

 丸山のヘディングシュートでの得点は、準優勝に終わった2019年夏のインターハイ以来になる。インターハイ準々決勝・徳島市立高戦(○3-1)で、丸山は右CKから相手GKがはじいたところを頭で押し込み、先制点を挙げた。4強進出を果たした富山一はその勢いのまま決勝に進出。しかし桐光学園高との死闘は、0-0で迎えた後半アディショナルタイムの失点で終戦した。決勝での敗戦について「一瞬で優勝がこぼれ落ちた」と思い返し、「隙を見せずに練習から気を抜かずにやるように」と再び頂点を目指す努力を重ねてきた。

 選手権予選の準々決勝・高岡一高戦(○1-0)では、0-0のままインターハイ決勝と似た試合展開に。「夏の決勝を思い出せ。隙を見せるな」と声を掛け合い続けて接戦を制し、準決勝、決勝では2試合連続で5-0と大勝。夏の悔しさをバネにして、5年連続の選手権出場を手にした。

 2回戦を勝ち進んだ富山一は、明日の3回戦で前回王者・青森山田高(青森)と相まみえる。丸山は「全体的に自分たちより優っているチーム」と敵を認めつつも、当然負けるつもりはまったくない。「先発スタートの11人だけじゃなくて、ベンチにいるメンバーやサポートに回るメンバー、みんなが一丸になって挑めば勝てる」。夏に掴みそこねた優勝のために、臆すことなど何もない。目の前の大きな壁を一つひとつ切り崩していく。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2019

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