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出場3回全て2回戦越え!筑陽学園が両SBによるアシスト&ゴールで草津東に逆転勝利

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筑陽学園が逆転で3回戦へ(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権2回戦 草津東1-2筑陽学園 味フィ西]

 筑陽学園高(福岡)が試合終盤に決勝ゴールを奪い逆転勝利。前回出場の第87回大会と同じく3回戦へ駒を進めた。草津東高(滋賀)は幸先よく先制し、組織的な守備も機能したが、ギリギリの攻防に敗れた形となった。

 筑陽学園の青柳良久監督が「ボール際に行けなかったため、試合の入りが悪くなった」と振り返る。とはいえ、それでも勢いのあるボール際の寄せに草津東も自由にできない。

 草津東の牛場哲郎監督は「筑陽学園さんのサイド攻撃、縦への速い攻撃をだいぶ削れたと思う。その分析したことを実践してくれたことは評価したい。組織で守ることを体現してくれた。ボールは持てるが、シュートが少なかった。相手陣でプレーできる時間帯があったぶん、それを活かしきれなかった」と言う。守備はスカウティングが機能。攻守の切り替えの早さも随所に見せたが、球際の厳しさに苦戦したというところか。

 先制点は草津東のセットプレーからだった。前半25分、左CKのボールをキャプテンのFW渡邉颯太(3年)が右足で合わせ、均衡状態を破る。初戦に続くゴールだったが「嬉しかったけど、気を引き締めないとやられると思ってました」と圧力を肌で感じていたようだ。

 そして時間が経つごとに筑陽学園の圧力が増す。前半残り5分あたりから寄せがさらに激しくなり、39分に左サイドからPA内でボールを受けたFW岩崎巧(2年)が倒されてPKを獲得。これをFW過能工太郎(3年)がきっちり決め、同点で折り返した。

「同点に追いついたのは大きかった。いつもだったら失点後バタバタしてるのが今シーズンでしたが、子どもたちが修正できているのではないかと」(青柳監督)

 後半も前半同様に膠着した状態が続く。しかし、草津東の体力が落ちてきたか、徐々に筑陽学園がフィニッシュまでたどり着くように。しかし、草津東GK長澤輝(3年)の好セーブもあってスコアが動かないまま終盤に入った。

 勝負を決めたのは筑陽学園両SBだ。後半37分、右SB古賀健琉(3年)が自らFKを蹴って跳ね返されたボールを拾ってドリブルで粘る。右サイドのエンドライン際で相手DFをはがすと、グラウンダーでマイナスに折り返し、左SB今田光(3年)が合わせてゴール。流れが偏らない難しい試合に終止符を打った。

 草津東は、過去2大会連続初戦で青森山田高(青森)と当たり、0-5、0-6で大敗してきた。その過去を払拭する1回戦勝利を経ての2回戦進出だった。「ちょうど1年前の今日から全国で勝つためにチームを作ってきた。正直悔しいです」と牛馬監督。しかし、全国で戦う意識を根付かせ階段をひとつ登ったことは事実だ。

 一方、筑陽学園は選手権3回目の出場で全て2回戦を突破。「一戦一戦、戦うだけ」と青柳監督は言うが、選手権での強さはこれもまた事実。3日の徳島市立高(徳島)との3回戦に勝てば、「選手権に強い筑陽学園」のイメージはますます強くなる。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019

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