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[MOM3124]静岡学園MF小山尚紀(3年)_プライドと進化の2発「静学に来た時はドリブルだけの選手だった」

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静岡学園高MF小山尚紀(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 丸岡高0-3静岡学園高 駒沢]

 切れ味鋭いドリブル突破に加え、クロスに飛び込むパターンも披露。静岡学園高の左サイドを担うMF小山尚紀(3年)が前半の2ゴールで勝利を手繰り寄せた。「中3の時に練習試合をして、ショートパスとドリブルのサッカーに魅了された」。滋賀県からやってきた技術自慢の18歳がサッカー王国に日本一を取り戻す構えだ。

 前半2分、まずは武器としてきたドリブルで魅せた。起点となったのは同じ滋賀セゾンFC出身のDF西谷大世(3年)。「中学時代からチームメートなので。タイセは非常にキックがうまく足もとがあるので、走り出したらスルーパスが出るかなと思った」。相手の中盤ブロックをフリーランでかわすと、あとはDFを抜き去るだけだった。

「細かく触りながらどんどん前進していくのが特長」。そう自己分析するドリブルの性質はスピード系というよりテクニック系。このシーンでも相手DFが目の前にいたが、正確なタッチと加速でかわし切り、最後はGKのいないコースへ冷静に決めた。「セゾンの時からドリブルにはプライドを持ってやっているので、誰にも負けたくない」という矜恃も見える1点目だった。

 2点目は前半アディショナルタイム2分、今度は進化を示す一発となった。右サイドを駆け上がったMF松村優太のクロスに対し、ゴール前に飛び込んで合わせた形。「セゾンから静学に来たときはドリブルだけの選手だった。その中で点を取らないと周りからも評価されないし、指導者からもよく言われていたので、いろんな形で点を取れるように練習していた」。そんな鍛錬の成果を全国の舞台で見せつけた。

「自分が点を取ればチームの勝利が自ずと近づいてくるので、ゴールでチームに貢献したい」。そう語る背番号14は今大会3点目。鹿島アントラーズ加入が決まっている松村に世間の注目が集まっている中で、それ以上とも言える目覚ましいパフォーマンスを見せている。

 それでも松村へのリスペクトは欠かさない。「いつも優太はすごいなと思うし、優太が行けているときは自分も行けないとダメだなと思っている。この大会は優太がすごくマークにつかれていて、自分はあんまりつかれていない気がするので申し訳ないというか、ありがたいというか…」。今後も右サイドの10番に警戒が集まる限り、小山の量産体制は止められそうにない。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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