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[MOM3129]仙台育英FW吉田健太(2年)_少ないチャンスを決めきる…切り札の矜持

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値千金の決勝点を決めた仙台育英高FW吉田健太(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 仙台育英高1-0高川学園高 等々力]

 1回戦に続いて後半から出場した仙台育英高(宮城)FW吉田健太(2年)が、鮮やかな決勝弾をもたらした。

 FW中山陸(3年)とFW佐藤遼(1年)がツートップの先発を占めている中、「負けてらんない」と発奮。「選手権は夢の舞台なので、自分もそのピッチに立って点が決められたらいい」とチャンスを待っていた。

 両チームともに前半はシュートゼロ。そんな状況を打破するべく、城福敬監督は動いた。「中山陸のヘディングの強さがもっと活きたらなと思っていたんですけど、セカンドボールをほとんど向こうに拾われていたので、スピードのある吉田」を後半開始と同時にピッチに送り込んだ。

 途中出場ということでチャンスが限られていることは吉田本人が自覚している。後半29分にはペナルティエリアで絶好のチャンスを得たが、シュートは浮いてしまい枠を捉えきれず。「1本のチャンスを決めきれなくて悔しい」。ピッチで頭を抱えて悔しがった。

 それでも背番号13は、ストライカーの仕事をやってのける。「チームを信じて、みんながつないでくれたボールは最後、必ず僕のところにくると思っていた」。MF豊倉博斗(2年)のクロスを、ヘディングでゴールに流した。「(シュートを)外したときに力んでいるとわかったので、自分に『落ち着け』と言い聞かせた」。吉田にとっては「ヘディングシュートはあまりないです」というめずらしいゴールだった。

 何人かを城福敬監督が名指しで挙げるほど、調子を落としている選手がいる中、吉田は「コンディションを整えている」と好調ぶりをうかがわせる。「チームの流れが悪かったら良くして、チームの流れが良かったらそのまま継続してできるように。なおかつ点を取れたらいいかなと思います」。自らの役割に徹するFWは、次戦・日大藤沢戦でもそのときを待つ。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

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