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接戦モノにする矢板中央、技あり2発で3回戦へ! 大手前高松は再びロングスローから得点も

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矢板中央が勝利し、3回戦に進出(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権2回戦 矢板中央高2-1大手前高松高 オリプリ]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、ゼットエーオリプリスタジアムの第2試合は矢板中央高(栃木)が大手前高松高(香川)に2-1で勝利した。互いに持ち味を発揮し、1-1で迎えた後半15分にMF左合修土(3年)が決勝ゴール。3回戦では鵬学園高(石川)と対戦する。

 “大会最長”の平均身長、全国屈指のフィジカルを誇る矢板中央が序盤からスタイルを発揮し、先手を取った。前半31分、DF加藤蒼大(3年)からのロングボールをFW西村碧海(3年)が落とすと、こぼれ球にMF露見拳士朗(3年)が反応。PA左手前の位置から迷わず右足を振り抜き、強烈ミドルを叩き込んだ。

 大手前高松は失点したものの、1回戦で勝利の立役者となった“飛び道具”を持つMF滝平昂也(3年)を前半19分に投入し、徐々に流れを引き寄せる。迎えた38分、滝平が右サイドから低い弾道のロングスローを投げ入れ、グラウンダーのボールをFW富田修成(3年)の足元にピタリと合わせる。富田が相手をかわして右クロスを入れると、中央でMF谷本将虎(3年)が潰れ、FW片上椋太(3年)が左足で蹴り込んだ。

 追いつかれた矢板中央。前回大会も準々決勝・青森山田戦(●1-2)でロングスローからの2発に屈しただけに、高橋健二監督は「今回は時間をかけて対策してきました」と明かしつつ、「あんなに飛ぶロングスローは経験したことがない。低いボールは予想していなくて、相手が上手だった」と脱帽した。県予選4試合、選手権2試合と“堅守の矢板”らしくない失点が続いているものの、それを補う勝負強さを発揮し、決勝点を奪った。

 1-1で迎えた後半15分だった。右サイドからDF坂本龍汰(2年)がアーリークロスを入れると、左合がワンタッチからターンし、相手と入れ替わって前を向く。左合は鋭い左足シュートをゴール右隅に突き刺し、逆転ゴール。2試合連続ゴールが決勝点となり、矢板中央が2-1で勝利した。高橋監督は「全国も厳しいと言われていた代。県大会も押されっぱなしでしたが、厳しいゲームを勝ち抜いて成長してきた。勝負強さ、謙虚さ、真面目さが彼らの特長」と接戦をモノにする奮闘を評価した。

 大手前高松は終盤も気を吐いたが、もう一点は奪えず、敗退となった。矢板中央の強度に直面し、「経験したことのないフィジカルとプレッシャーだった」と片上。惜しくも敗退となったが、プリンスリーグ四国を5位フィニッシュし、初出場の選手権で歴史を変える一勝。川上暢之監督は「初出場で一つ勝ったのは素晴らしい。結果を出せたことに自信を持ってほしい」と3年生をねぎらった。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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