beacon

「点数を獲れなかったことが全て」。神村学園は逸材も入学予定の来季、全国の堅守こじ開けるチームに

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半23分、左SB下川床勇斗が左足シュート

[1.2 選手権2回戦 富山一高 1-0 神村学園高 浦和駒場]

「点数を獲れなかったことが全て。いくらボールを回せても勝てなければ意味がない。こだわってやらないといけないなと思います。あれを崩して点数を獲れるようにしていかないと先はないと思う」。神村学園高の有村圭一郎監督は厳しい評価を下していた。
 
 中央、DFラインの背後のスペースを消して守る富山一高(富山)に対し、中盤をドリブルで剥がして背後へ。また、サイドへ精度の高いボールを入れて、そこからのクロスを狙いたかったが、なかなかその数を増やすことができなかった。

 前半16分の失点後、ボールを保持する時間を伸ばし、MF永吉飛翔(2年)のミドルシュートやMF濱屋悠哉(3年)のボレーシュートなどで反撃。後半23分には右クロスのこぼれに反応した左SB下川床勇斗(2年)の強烈な左足シュートが枠を捉えた。

 だが、これは富山一DFにブロックされて同点ならず。下川床は「入らなかったのは何かが足りなかったと思います。抑えの利いた速いシュートだったんですけれども、DFに止められて、どこか隙あったと思います」と唇を噛んだ。

 その後も濱屋のループパスに下川床が飛び込み、MF樋渡鯉太郎(3年)の右足シュートなどで同点を狙ったが、精度、こじ開ける力が足りないまま試合終了。0-0からのPK戦の末に勝利した前橋育英高(群馬)との初戦に続き、無得点で敗退となった。

 現3年生は厳しい評価に奮起してインターハイと選手権に出場。有村監督は「選手たちが良く頑張ってくれた。粘り強くやってくれましたし、色々なことを我慢してくれた、人間的に大きな学年でした」と称賛する。MF軸丸広大主将(3年)や濱屋を中心に良く戦ったが、2年前のエースMF高橋大悟(現北九州)のような選手権で全国レベルの堅守を破る存在は出現しなかった。

 来年は系列の神村学園中からU-15日本代表の“逸材”MF大迫塁やFW福田師王らが進学してくる予定。日常から質を高めて再び日本一を目指す。選手たちはインターハイ準優勝校との差もなかったと感じている。下川床は「全然やれましたし、あと少しだなと本当に思うので、練習から意識していくしか無いと思いました。次入ってくる1年生も日本代表に入っているやつもいるので、みんなで切磋琢磨しながらこういう舞台を意識してトレーニングしていきたい」。個でも、グループでもゴールをこじ開けられるチームになって、1年後の選手権でより躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

TOP