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[MOM3139]徳島市立DF三倉頼真(2年)_素材感ある186cmのエアバトラーが攻守に仕事! ナベと跳ね返す冬

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ゴールを決めたDF三倉頼真(2年)がガッツポーズ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 徳島市立高1-0筑陽学園高 駒沢]

 粘り強く体を張り、“徳島市立スタイル”を体現した。DF三倉頼真(2年)が連続完封に貢献し、徳島市立高(徳島)の過去最高成績となるベスト8進出に貢献。「競り合いは負けたくない」とこだわりを持って空中戦に挑む186cmのエアバトラー。両フィールドプレイヤー最長となる恵まれた体躯を生かして堅守を築いたが、この日の活躍は守備にとどまらなかった。

 前半22分、MF野口蓮太(3年)が蹴り込んだ左CKをファーサイドのDF田内悠貴(3年)が頭で合わせると、カバーに入った相手DFがクリア。「ニアに飛び込んで入ったけど、ボールがファーに流れて、目の前にこぼれてきた」。混戦からこぼれ球に反応した三倉が右足で蹴り込むと、左ポストに当たったボールはゴールに向かい、先制のネットを揺らした。

「決まった瞬間はホンマにうれしすぎて、どう喜んだらいいか分からなくて。とりあえずガッツポーズしました」。貴重な決勝ゴールを挙げ、その一点を守り抜いての勝利。自らが投げるロングスローからもチャンスを作り、中0日の連戦も最後までタフに戦い抜いた。

 徳島市立は総体も全国8強と躍進したが、三倉は大会直前に定位置を失った。「ここまでずーっと温存してました。ボケボケで結構やらかすので」と笑った河野博幸監督は「普段は集中力がないですが、こういう舞台が一所懸命にさせているのかな」と目を細めた。“夏”を経験しなかった三倉にとっては前日の2回戦・尚志高(福島)戦が初の大舞台。この抜擢は「素材感がある」(河野監督)左利き大型CBへの期待の表れだろう。

 総体は仲が良いDF渡邉浩章(2年)にポジションを奪われる形となり、「インターハイでは悔しい思いをして、腐りかけた時もあった」と三倉。選手権出場が決まると、大会を前にスタメンに復帰。自分より身長が低い選手にフィジカルで負けるわけにはいかないと発奮し、ベンチプレスを取り入れ、筋トレや食事で体作りを強化してきた。

 迎えた今大会は186cm三倉と181cm渡邉が3バックの左右で空中戦を制し、5バックでゴール前を固めて連続無失点を達成。「アフターも朝練も2人でいつも一緒に頑張ってきた。だから選手権でナベと2人で出られているのが、めちゃめちゃうれしいです」(三倉)。キックオフ前にはハイタッチとハグをするのが習慣。「仲間であり良いライバル」(渡邉)という2年生コンビも、零封快進撃を支えている。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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